中古のキッチンカーを購入する際の4つの注意点

中古のキッチンカーは初期費用を抑えられたり、開業までの時間を短縮できたりするメリットがありますが、一方で購入後に整備不良が見つかったり、考えていたよりも合計の支払額が多かったりと、失敗するリスクもはらんでいます。

キッチンカーの購入で後悔しないよう、あらかじめどのような点に注意するべきか把握しておきましょう。この記事では、中古のキッチンカーを購入する際の注意点を4つご紹介します。

中古のキッチンカーを購入する際の注意点

中古のキッチンカーを購入する際の注意点は、以下の4つです。

• 購入する前に保健所へ相談する
• 車両本体の価格とは別に費用がかかる
• ネットオークションでの購入はよく確認する
• 実車を見てから決める

これらを事前に押さえておくことで、購入後に余計な手間やコストがかかるのを防ぐことができます。しっかりとした下調べが失敗を防ぐコツ。あせらず慎重に検討しましょう。

購入する前に保健所へ相談する

気になる中古のキッチンカーを見つけたとして、購入に踏み切る前に、その車両が営業許可を取得するために必要な装備を搭載しているか、取得のためにどのような装備の追加が必要となるか、あらかじめ保健所へ相談しておくことで、思わぬ出費や手間の発生を防ぐことができます。

キッチンカーの開業には、「営業許可」の取得が必要です。営業許可とは、保健所が定める基準を満たしたキッチンカーに対する許可のこと。扱う料理や調理方法によって取得する営業許可の種類が異なり、また取得基準は都道府県（または市区町村）によっても異なるため、キッチンカーを購入する前に、取得すべき営業許可の種類と、取得条件について、営業地域を管轄する保健所に必ず相談しましょう。

仮に営業許可の取得に必要な装備が揃っていなくても、購入後に増設すれば問題なく営業許可は取得できます。その場合、当然ですがキッチンカーの購入費用に別途、改造費用が必要になります。

車両本体の価格とは別に費用がかかる

車両本体価格とは別に費用がかかることを頭に入れておきましょう。

費用額は本体価格の2割ほど。販売サイトに掲載されている本体価格だけで判断せず、見積もりを依頼して「実際に支払う合計の金額を確認すること」が中古車を購入するうえで大切です。

本体価格以外にかかる主な費用は、以下の通りです。

• 自動車税
• 自動車取得税
• 自動車重量税
• 自賠責保険
• リサイクル料金
• 納車費用
• 車庫証明取得費
• 車両登録代行費
• 消費税
• 保険

上記のほか、備品代やリフォーム代がかかる場合もあります。加えて、車検切れの車両の場合は、車検代がプラスされます。

ネットオークションでの購入は入念に確認する

ネットオークションで中古のキッチンカーを購入する際は、以下5つの注意点を押さえておきましょう。

• 写真ではわからないキズや汚れが付いていることがある
• 事故車かどうか判断が難しい
• 構造変更の申請や適切な改造が行われていない車両がある
• 料金を支払ったのに納車されないケースがある
• 販売者側が名義変更をしてくれないことがある

ネットオークションでは、さまざまな状態の中古キッチンカーが販売されています。格安で購入できる反面、トラブルに見舞われる可能性もあるため、ネットオークションに慣れていない人や車の知識がない人は慎重に確認してください。車は高額なので、トラブルに遭えば大きな被害が懸念されます。

特に、構造変更の申請や適切な改造が行われていないキッチンカーの場合、道路交通法・道路運送車両法に違反する恐れがあるため要注意です。

実車を見てから決める

中古車の購入では、直接店舗へ足を運び、車両の状態を自分の目でチェックすることが基本です。なぜなら、販売サイトにすべての情報が正しく記載されているとは限らないからです。

写真ではきれいに見えても、水没して車内に泥の跡がある・潮風や雪の影響で車両フレームが錆びている事例もあります。

「保健所の基準を満たした設備は整っているか」「エンジンルームの状態はきれいか」「足回りは劣化していないか」の3点を中心にチェックすると、購入後の失敗を防ぐことができます。

また、装備が充実している車両であっても、実際に使用してみると調理や作業がしづらい場合があります。実車を見学したときに調理や販売を行う動きを想定してみるとよいでしょう。

信頼できる業者をあらかじめ見つけておきたい

中古のキッチンカーを購入する場合、事前に信頼できるメンテナンス業者を見つけておくと安心です。

中古車は新車に比べて故障のリスクが高いため、車の状態を管理するためにも定期的なメンテナンスが欠かせません。キッチンカービジネスにおいて車の故障は大きな機会損失と予想外の大出費を生む可能性がありますので、突然の大きな故障だけは何としてでも防がなければなりません。

業者とは長い付き合いになるため、多少時間がかかっても自分にあった業者を見つけることが重要です。相談しやすく、親切丁寧に対応してくれる業者がよいですが、キッチンカーのメンテナンスや修理、車検に関する知識や経験が多少なりともある業者なら尚よいです。

中古キッチンカーは最善の注意を払って購入しましょう

この記事では中古のキッチンカーを購入する際の注意点をご紹介しました。

キッチンカーの開業には営業許可が必要です。よさそうな中古のキッチンカーを見つけたら保健所に相談し、営業許可所得の条件を満たしているか、取得にためにはどのような設備の増設が必要かを確認してください。

また、中古車の販売サイトにはすべての情報がもれなく記載されているわけではありませんので、店舗へ出向いて実車を自分の目で見て判断することが大切です。購入したあとに「想像と違った」と後悔しないよう、焦らずにひとつずつ確認していきましょう。