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神根自動車販売株式会社
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キッチンカー(移動販売車)の移動販売キットとオーダーメイドを比較

2020年5月8日

キッチンカーの製作業者の中には、設備一式を「移動販売キット」として販売しているところがあります。

取り付けるだけですぐに営業を開始できると謳われているこの移動販売キットとは、具体的にどのような商品なのでしょうか。オーダーメイド(受注生産)と比べて、どのような違いがあるのでしょうか。

ここでは、移動販売キットの概要と種類、おおよその価格についてまとめました。キットとオーダーメイドのどちらを選択すれば良いかについても考察しましたので、是非参考にしてみてください。

移動販売キットとは

キッチン周りの設備がワンセットになった移動販売キットとは

よくあるのは、蛇口やシンク、調理台、カウンターなど、キッチン周りの設備をワンセットにしたキットです。

バンやワゴンタイプの車両にこれを組み込むだけで必要最低限の設備が整うので、あとは足りない部分を付け足すだけで、とりあえず営業許可が取れる状態までスピーディーに持っていくことができます。

移動販売キットは、ベース車両の車種や販売するメニューが何であっても使えるように、汎用的な大きさ・内容となっているので、ある程度の量産が可能です。そのため、オーダーメイドよりもキットを使った製作の方が、かかる費用や時間が少なくなります。

移動販売キットの例

  • ・シンク ×2
  • ・蛇口 ×2
  • ・汲み上げポンプ ×2
  • ・折り畳み接客カウンター ×1
  • ・給水タンク ×2

 

軽トラックにはボックスタイプのキット

軽トラック用にはボックスタイプのキットが販売されています。

バンやワゴンの場合は車両自体がボックス状なのでキッチン部分を取り付けるだけで済みますが、軽トラックは後方が荷台なので、壁や天井で囲った空間を作り出すためにキット自体がボックス状である必要があります。

オーダーメイドよりも割安でスピーディーに完成させられるという点はバン・ワゴン用のキットと共通ですが、サイドパネルに跳ね上げ式のカウンターや換気扇、棚などを標準で備えており、より多くの設備がパッケージングされているので、価格は比較的高額です。

軽トラックにはボックスタイプのキット

積み降ろし可能なタイプも

移動販売キットの中には車両への積み降ろしが可能なタイプがあります。

基本的にはキッチンカーとして使える状態にしておき、車両を他の用途に使いたい場合や、車検を通すときのみ、キット部分を取り外します。こうすることで、構造変更などの申請が不要となるので車検や税金にかかる費用が抑えられますし、普通のトラックとして使うときには高速料金が安く済みます。

取り付けは、一般的にはキットの販売業者に依頼する形になりますが、少しでも費用を減らしたいのならオーナー自身で取り付けても構いません。ただし、運転席と調理場を隔てる「間仕切り」を用意したり、電気配線をしたりと、付随する作業もありますから、ある程度の知識と技術が必要になることは知っておきましょう。

積み降ろし可能なタイプも

キットとオーダーメイドの違い

費用の違い

費用の違い

キットを使うのとオーダーメイドで制作依頼するのと、価格はどのくらい違ってくるのでしょうか。車両代を除いたキット自体の価格を調べてみました。

まずキットの場合、バン・ワゴン用で15万円~、軽トラック用で70万円~が目安です。取り付け費用が別途かかります。

オーダーメイドではこれが2倍になるイメージで、バン・ワゴン用が35万円~、軽トラック用が150万円~といったところです。

キットはどこで買っても価格にそれほど違いは出ませんが、オーダーメイドは業者によってかなり違いますし、それこそ内容を拘れば拘るほど青天井で価格が膨らみます。

制作期間の違い

制作期間の違い

キットを使う場合とオーダーメイドでの製作を依頼するのとでは、キッチンカーの製作にかかる期間も違ってきます。

例えば軽トラック用のキットの場合、最短で発注から3週間程度での納品が可能ですが、オーダーメイドでは納品までに大体2か月程度かかります。

オーダーメイド製作では細かな仕様を実現するために業者との密な打ち合わせが必要ですし、工作や施工にも時間がかかるからです。

柔軟性の違い

柔軟性の違いに注意

汎用的なキットを用いるよりも、一からオーダーメイドで作ってもらう方が、当然、細かい部分まで理想通りに作り上げることができます。

例えばお気に入りの冷蔵庫や特別な調理器具を設置するとき、オーダーメイドであれば、これらにぴったり合うように幅や高さを自由に設計できます。また、調理する人が使いやすいように調理台の高さを合わせたり、衛生面を考えて素材を変更するといったこともオーダーメイドでは可能です。

キットかオーダーメイドか

キットかオーダーメイドか

移動販売をこれから始める場合、経験が乏しく、理想の設備やレイアウトがなかなかイメージしにくいでしょう。また、初期コストもできるだけかけたくないはずです。

キットを用いた製作は、低コストで素早く仕上げられることがメリットです。設備が一通り揃ったキットを自前の車両に組み込み、手早く営業を開始して当面の利益を確保しつつ経験を積み、2台目のキッチンカーの製作につなげるというのも悪くない選択です。

ただ、移動販売で十分な売上を上げるには、商品の提供スピードがとても大事です。調理や作業の流れに沿った使い勝手の良いレイアウトは、調理・作業スピードを上げ、売上を最大化します。

販売する商品や販売スタイルが一様ではない移動販売では、本来、理想のレイアウトはひとつひとつ違うはずです。ここを妥協してしまうと効率が落ち、せっかくの販売機会を逃してしまうことになります。

オーダーメイドでの製作なら細かな要求も実現できますし、メンテナンスや、のちに改修が必要になったときにも都度対応してもらえるので、長い目で見るとリーズナブルです。やはりキッチンカーは、オーダーメイドでの製作が基本と言えます。