キッチンカー(移動販売車)をレンタルする目的と注意点
「自分のお店をオープンする」という夢には、お金や許可などの問題が立ちはだかります。
規模にもよりますが、個人でお店を開業するには、一般的に約500~1,000万円の資金が必要になるといわれています。
しかし、キッチンカーをレンタルできれば、お店をオープンするのにかかる費用や手間が少なくなり、思い立ったらすぐに開業できます。
この記事では、キッチンカーのレンタルに興味を持っている方のために、レンタルキッチンカーの概要・有効な使い方・実際にレンタルする際の注意点をまとめました。
レンタルキッチンカーとは?
そもそもキッチンカーって何?
キッチンカーとは、一言で説明すると「屋台」のことです。日本ではラーメン・たこ焼きの屋台が有名ですが、現代ではジャンルが多様化しており、イタリアンやケバブ・エジプト料理などを売っているキッチンカーもあります。
キッチンカーが広く認知された契機の一つとして、東日本大震災などの災害があります。牛丼チェーン店のすき家では、被災者に向けた牛丼の炊き出しを行うためにキッチンカーを製作していますし、日清食品ホールディングスでもキッチンカーで暖かい即席麺を被災者に提供しています。
その後、キッチンカーが持つ経営上のメリットが注目され、個人で飲食店を開業する方法の一つとして、キッチンカーを選ぶ経営者が増えてきました。
使い方は人によってさまざまで、毎日一定の場所にキッチンカーを停車して商品を売る場合もあれば、特定のイベントを狙って短期集中型で活動する場合もあります。
キッチンカーをレンタルするメリット
「レンタルキッチンカー」とは、任意の期間、キッチンカーを借りることのできるサービスです。
キッチンカーでの移動販売を始めるにあたり、時間、コスト的に最も大きな負担になるのがキッチンカーの製作費用だと言われていますが、レンタルキッチンカーなら一通りの設備が完備されているのですぐに営業が始められますし、初期コストも一から製作するより遥かに少ない金額に抑えることができます。
レンタルキッチンカーの料金と貸出期間
キッチンカーのレンタル料金は、例えばK-BOX(軽トラックベースのキッチンカー)の場合、1か月210,000円となっています。
貸出期間は、1か月、3か月、4か月、6か月、12か月の5種類が用意されていて、レンタル期間が長くなるにつれ、1日あたり・1か月あたりの料金が下がり、割安になっていきます。
K-BOXレンタル料金(税別)
レンタル期間 |
料金 |
1か月あたりの料金 |
1日あたり料金 |
1か月 |
210,000円 |
210,000円 |
7,000円 |
3か月 |
540,000円 |
180,000円 |
6,000円 |
4か月 |
680,000円 |
170,000円 |
5,667円 |
6か月 |
900,000円 |
150,000円 |
5,000円 |
12か月 |
1,440,000円 |
120,000円 |
4,000円 |
レンタル業者によっては、普通トラックをベースにしたキッチンカーを貸し出しているところもあります。料金は軽トラックベースのおよそ2倍程度です。
車両のレンタル代のほかに車の搬入・搬出費用やオプション代が発生する場合がありますので、費用の総額について業者にしっかりと確認を取っておいたほうが良いでしょう。
レンタルに必要なもの
キッチンカーのレンタルには以下のものが必要です。
- 食品衛生責任者資格
- 飲食店営業許可
- 自動車免許
食品の移動販売には食品衛生責任者資格と飲食店営業許可が必要なので、この2つの取得がキッチンカーをレンタルする条件になってきます。
レンタル手順
一般的には「予約→入金→キッチンカー受取り→営業許可取得→レンタル開始」の流れです。
ただし、レンタルに必要な手順は利用するレンタルサービスごと(業者ごと)に異なるので、実際に利用する際にはもう一度確認したほうが良いでしょう。
自家用自動車有償貸渡業登録、いわゆる「わ ナンバー登録」されている車両を貸し出している業者からレンタルする場合、車検証の名義変更の必要がないので、営業許可さえ取得できればレンタルを開始できます。
設備とオプション
あらゆるメニューに対応できるよう一通りの設備があらかじめセットされています。
別の機材が必要だったり、さらに大きな仕様の設備が必要な場合には、オプションでレンタル機材や持ち込み機材の導入が可能です。ラッピング等、外観の変更も可能です。
レンタルキッチンカーの有効な使い方
試験的な営業に
まだ本腰を入れて開業できる自信がないという方や、どんな商品で勝負するか・どこに出店するかをいろいろ試したいという方は、ひとまずキッチンカーをレンタルして試験的に営業してみても良いでしょう。少ない投資で始められます。
最初からニーズを読み取るのは難しいでしょうから、まずはレンタルで感覚をつかみ、そこで目標を達成してから本格参入を考えてみましょう。
短期の営業に
イベント出店を主軸に移動販売を行いたいと思っている場合、出店頻度にもよりますが、キッチンカーを製作するよりもレンタルで運用した方がコストが抑えられることがあります。
単発での出店や、シーズン営業など数週間~1か月間程度の極めて短い期間だけ出店するような場合にもレンタルキッチンカーは有効です。
キッチンカー製作の参考にする
キッチンカーの製作には大きな費用がかかりますから極力失敗を避けたいところですが、目で見ただけでは実際の使用感はなかなか分からないものです。
そこで、製作業者が提供しているレンタルサービスを利用し、その業者が作ったキッチンカーを一度試乗してみましょう。
使用感や製品の良し悪しがある程度つかめますし、設計で足りなかった部分が見えてくることもあります。
レンタルキッチンカー利用時の注意点
レンタルキッチンカーの専門業者でもない限り、レンタル車両を複数台用意しているところは稀です。ほとんどの場合1~2台程度しか用意していないので、先に誰かが借りていたり、すでに予約が入っていたりすると、希望するスケジュールで借りられないことがあります。
キッチンカーをレンタルしたい日取りが決まったらとにかく早く予約をし、レンタル車両を押さえることが大事です。
移動販売を行う管轄の「保健所」で営業許可をもらう
キッチンカーをレンタルして移動販売を行うためには、各自治体の保健所で営業許可をもらいます。
固定店舗を出す場合は最寄りの保健所に「飲食店営業許可」の申請を行いますが、キッチンカーを使う場合でも同様の届け出が必要です。
申請手数料の金額は、保健所によって異なりますが、おおむね20,000円弱を見込んでおけば間違いないでしょう。
車の仕様に自分が合わせる必要がある
レンタルした車である以上、基本的にはその仕様を自分好みに変えるわけにはいかず、借りたキッチンカーに自分が合わせて作業しなければなりません。やりたかった調理ができなかったり、そのせいで仕込みに時間がかかったりすると、その分負担が増えてしまいます。
キッチンカーをレンタルする場合、実際に自分がどんな作業を車内で行うのか、あらかじめイメージした理想に近くなるものを選びましょう。
将来のランニングコストを考える
キッチンカーは、レンタルするなら1年以内の短期、もしくはスポット的に借りた方が、費用を安く済ませられます。
もし、1年を超える期間キッチンカーをレンタルするなら、思い切ってキッチンカーを購入した方が良いかもしれません。
例えば、軽トラックベースのキッチンカーを2年間借りたとしたら、3,000,000円近いレンタル料金がかかります。新車ベースのキッチンカーが買えてしまう金額ですから、ある程度安定した収益が見込めるようになってきたら、キッチンカーの購入や製作を考えるべきだと思います。
まとめ
今回はレンタルキッチンカーの概要や活用法について情報を整理してみました。いかがでしたでしょうか。
レンタルキッチンカーは、製作するよりもずっと小さなコストでキッチンカーを調達できるので、移動販売の試験的な営業やイベント営業など、少しの間だけキッチンカーが必要になる場合に特に活躍します。
K-BOXでもレンタルキッチンカーを提供しております。ご希望の際はお気軽にご連絡・お問い合わせください。