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キッチンカー(移動販売)に「仕込み場所」が必要なケースとは?場所を確保する方法も紹介!

キッチンカー(移動販売)に「仕込み場所」が必要なケースとは?場所を確保する方法も紹介!

2020年5月9日

キッチンカー(食品の移動販売)の営業許可を受けるとき、仕込み場所が必要になることがあります。キッチンカーの開業において仕込み場所の確保は最も難しいことのひとつです。

ここではまず「仕込み」「仕込み場所」とは何か、なぜ仕込み場所が必要なのかといった基本的な部分を解説し、その後、仕込み場所を確保する方法や、仕込み場所を不要にする方法を紹介します。

キッチンカーの仕込み場所について疑問や悩みをお持ちの方は参考にしてみてください。

仕込み場所について

仕込み場所とは

仕込みとは?

そもそも「仕込み」とはどのような行為のことを指すのでしょうか。一般的には、材料を切る、混ぜる、下味を付けるといった行為が仕込みにあたります。

仕込み場所とは

材料を切ったり下味を付けたりといった仕込み作業をキッチンカー車内で行うことは、公衆衛生の観点から認められていないことがあります。

そのような場合どこで仕込むかというと、営業許可を取得してある別の施設を使います。この「キッチンカーとは別の仕込みを行う場所」のことを仕込み場所と呼んでいます。

仕込み場所は仕込み以外にも、キッチンカーで取り扱う食材の管理・保管、調理器具や食器の洗浄・消毒、給水タンクへの給水といった作業を行う場所でもあります。

なぜ仕込み場所が必要か

平たく言えば、仕込み場所が無いとキッチンカーの営業許可が受けられないからです。

キッチンカーは衛生状態を保つのに十分な設備が整っているとは言えません。そのため、保健所によっては仕込みが必要なメニューを扱う場合、別途仕込み場所がないと営業を認めてくれません。

仕込み場所が無いとキッチンカーの営業許可が受けられない

仕込み場所に必要な設備

キッチンカーで提供するメニューによって違ってきますが、一般的に仕込み場所には2槽シンクや手洗い器、温度が分かる冷蔵庫、給湯、換気設備などが必要で、床や壁は掃除がしやすくなくてはいけない等の基準があります。

また、他とは完全に区切られた空間である必要もあります。ですから自宅のキッチンは多くの場合、仕込み場所として認められません。

仕込み場所に必要な設備

基準は保健所ごとに違う

本やインターネット検索で出てくる情報は、東京都など一部の地域の基準を元に書かれていることが多いですが、実は許可を受ける保健所によって基準はかなりの違います。

たとえばキッチンカー内での仕込みがある程度認められていたり、自宅でも専用の調理場を作ればOKとしているところがあります。もっと言うと、キッチンカー自体がある程度しっかりしていれば、仕込み場所は問われない・チェックされない、ということもあるようです。

ですから、販売する料理が決まったら、まずは保健所に相談に行きましょう。計画している調理オペレーションの中で仕込みにあたる工程はあるか・仕込み場所は必要かどうか、また、仕込み場所にはどういった設備が必要かなどを確認します。

あらかじめ確認しておくことで無駄な時間と労力が省けます。

基準は保健所ごとに違う

仕込み場所を確保する方法

仕込み場所が必要になったとき、実際にどのように

用意すればよいのでしょうか。代表的な方法をいくつか紹介します。

仕込み場所を確保

1.すでに固定型の飲食店を運営しているのならそこを使う

すでに固定店舗の飲食店をお持ちで、経営拡大で移動販売を始めるのなら、その店舗の厨房を移動販売の仕込み場所として使うことができます。キッチンカーの営業許可申請時、店舗の営業許可証の写しを添付します。

ただし、店舗の営業許可の種類によってはキッチンカーの営業許可が下りないことがあるので、事前の確認が必要です。

 

2.知人の飲食店を使わせてもらう

友人・知人に飲食店を経営している方がいたら、早朝などの営業時間外に厨房を仕込み場所として使わせてもらえないか交渉してみると良いでしょう。

この場合もやはり、営業許可の種類によっては許可が受けられないことに注意します。また、食中毒が出てしまったなど、万が一何らかのトラブルに見舞われた場合は双方に被害が及ぶ可能性があるので、責任の所在や対応策などを事前にしっかり話し合っておくことが大切です。

3.仕込み用に安い部屋を借りる

自宅とは別に安いアパートなどの一室を賃貸し、仕込み場所として使う方法です。

必要な設備は自身で揃える必要があり、思っているよりもコストがかかることがあります。

4.居抜き物件を借りる

居抜き物件とは、前のオーナーが家具や設備を残したまま退去していった物件のことです。

飲食店の居抜き物件なら専用の設備がそのまま使えることがあり、初期コストを抑えつつ、効率よく作業できるでしょう。

ただし賃料は比較的高いので、仕込み場所でも営業を行うなど、何らかの工夫が必要になるケースが多いです。

 

5.新たに仕込み場所を建てる

郊外などに広い土地がある・または用意できるのなら、プレハブなどで専用の施設を建ててしまうという方法もあります。

土地代に加え、電気や空調、水回りの設備も整える必要があり、コストが大きくなりがちです。居抜き物件を借りる場合と同様、仕込み場所でも利益が生み出せるよう何らかの営業活動が必要でしょう。

6.営業許可施設のシェアサービスを利用する

営業許可を取得済みのキッチンを複数人でシェアする「仕込み場所シェア」「シェアキッチン」「レンタルキッチン」などと呼ばれるサービスがあり、これを利用してキッチンカーの営業許可を取得する方法です。

月額料金を払って契約を維持していくスタイルが一般的ですが、インターネット検索すれば複数のシェアサービスが見つかり、内容や料金も様々ですから、いろいろと調べてみると良いでしょう。

 

仕込み場所を用意できない場合の手段

仕込み場所を確保するといっても丁度よい居抜き物件や飲食店経営をしている友人などそうそう見つかるものではないですし、新たに部屋を借りる・建物を建てるのにも大きなコストがかかりますから、実際には難航することが多いです。

どうしても仕込み場所を用意できない場合、「仕込まない」という選択をすることで、仕込み場所の問題が解消できるかもしれません。具体的には下記の2つが考えられます。

1.仕込みが要らない食材で代用する

たこ焼きならカット済みのタコを使う、クレープなら冷凍生地や缶詰のフルーツを使うといったように、加工済みの材料で代用することで仕込みを回避する方法です。

仕込みが必要のないメニューに変更する

そもそも仕込みの必要がないメニューに変更してしまえば仕込み場所は完全に不要となります。たとえば冷凍の焼き鳥やピザを仕入れてキッチンカーで焼いて提供する、などです。

まとめ

仕込み場所の確保はキッチンカーの開業準備の中でも困難なことのひとつです。小さいコストで開業できるのがキッチンカーの良さなのに、仕込み場所の確保に大きなコストがかかってしまっては良さが失われてしまいます。

条件を出し合って飲食店の厨房を何とか貸してもらったり、仕込み場所のシェアサービスを使う、あるいは仕込み場所を用意しなくて済むように工夫したりして、できるだけコストをかけずに開業できる方法を探ってみてください。