キッチンカーで焼き芋屋をやるメリットや開業時に押さえておきたいポイントを紹介
焼き芋の移動販売と言えば、みなさん「いしや〜きいも〜おいも♫」を思い浮かべるのではないでしょうか?
焼き芋販売をあまり見かけない時期もありましたが、最近になってまた人気が復活してきています。なぜ今になって焼き芋の移動販売が再燃しているのでしょうか?
その理由は、焼き芋の種類が増えていろいろな味や食感が楽しめるようになったからです。ねっとりとした芋やホクホクの芋、種類によって風味や食感が違うので、お客さんはまるで初めて焼き芋を食べるかのように喜ばれます。
焼き芋のキッチンカーはまだライバルもそれほど多くなく、始めるのに今が絶好のタイミングと言えます。
この記事ではそんな焼き芋のキッチンカーについて、メリットやデメリット、開業時に押さえておきたいポイントなどを解説していきます。
焼き芋のキッチンカー (移動販売)のメリット・デメリット
焼き芋のキッチンカーにはどのような魅力があるのでしょうか。また、焼き芋のキッチンカーを始めるにあたって、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。
焼き芋のキッチンカーをやるメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
- 営業許可がいらない
- 初期投資を抑えて開業できる
- 利益率が高い
- 流行り廃りがないので長く続けられる
- 調理が難しくないので料理をしたことがない人でも運営できる
キッチンカーの商材として焼き芋を選択する一番のメリットは、食品衛生法上の営業許可を取得する必要がないことです。
農産物を加熱した程度の簡易的なものでしたら保健所での申請が必要ないので、開業するハードルはとても低いと言えます。
営業許可がいらないということは車や設備に求められる基準も緩いということです。ですから、車や設備を中古で揃え、自分で改造をして、初期費用をグッと抑える方もいます。
よく言われるのは「焼き芋販売は利益率が高い」ということです。原価率は大体20~40%。焼き芋1本400円とすると、仮に1日に100本売れば粗利は24,000円~32,000円/日にもなります。
そして焼き芋は季節の風物詩ともいえ、流行り廃りがなく、長く続けられることもメリットです。
デメリット
- 季節に左右され、夏場は売上げが落ちる
- スーパーやコンビニでも売っている
- 冬は稼ぎどきだが寒さが厳しい
焼き芋屋を開業しようと思ったとき、夏場の収入はどうしたら良いのか不安になります。熱い食べ物ですのでどうしても夏場は売上げが落ちます。
対策としては、夏場でも売れる「冷やした焼き芋」を販売することなどです。また、夏の間は「わらび餅」や「かき氷」に切換え、思い切って一時的に休業して農業を営むといった手もあります。
このように工夫することによって、シーズンオフ時の収入をある程度カバーすることができます。
最近では、スーパーやコンビニ、ドン・キホーテなどのディスカウントストアでも焼き芋を販売するようになり、価格も安いです。
手軽に買えるようになったことで移動販売としては影響が出そうですが、「家のすぐそばで買える」という大きな強みが移動販売にはあります。
さらに、品種や焼き方、お客さんとの豊かなコミュニケーションなどで差別化を図ることで太刀打ちは可能です。
焼き芋キッチンカーを出店する際のポイント
焼き芋のキッチンカーで成功するためのポイントを押さえていきましょう。
品種やサイドメニューにこだわる
焼き芋は大きく「ねっとり系」と「ホクホク系」に分かれますが、人気はねっとり系です。
1つの品種で勝負するのであれば、口に入れた時のインパクトが強い、ねっとり系がおすすめです。
複数の品種を扱うのであれば、ねっとり系とホクホク系の両方を扱い、甘さでも分けると良いでしょう。
夏場に営業される方は、「冷やし焼き芋」は外せないメニューです。
また焼き芋に合うドリンクやサイドメニューを作るやり方もあります。良く売れるのはトウモロコシで焼き芋の窯を利用して焼けるので、手軽にメニューに組み込めます。
トウモロコシの場合は下茹でが済んでいるものを仕入れ、アルミホイルでくるんで焼き芋窯の石に1分ほど埋めれば焼きあがるので、再度メニューにはうってつけです。
おすすめの品種
はじめて焼き芋の移動販売をやろうと思ったとき、どの種類のさつまいもが良いのか迷いますね。
はじめての人でも販売しやすいのが「安納芋」と「紅はるか」です。どちらもねっとりしていて糖度が高く、とても甘いので絶対的な人気があります。
そして昔ながらのホクホクしたさつまいもが好きな方は「紅あずま」です。甘さ控えめで栗に似た食感・風味があり、安定した評価があります。
安納芋では甘すぎるという方は、滑らかな食感で甘さを抑えた「シルクスイート」もおすすめです。
ターゲットとエリア
焼き芋屋のターゲットと言えば主婦層です。圧倒的に多いのは自宅にいる方です。
以外と知られていないのは「午前中でも売れる」ということ。朝にお子さんやご家族が外出された後のおやつに焼き芋を購入される方は非常に多いのです。特に団地は一気に集客できるのでねらい目です。
また午前中はライバルもほぼ以内ので非常によく売れます。
ルートに関しては、売れた場所と単価をこまめにメモして、どこが売れてどこが売れないのか、チェックしていきます。
焼き芋に関しては、好きな人はリピーターになりやすいので、どこで売れたのかを詳細に調べ、売れる地域と地域を結んだルートを開拓することが非常に重要です。
住宅地域以外の出店場所と時間帯
上述のように午前中は団地や住宅街を中心に販売します。
お昼はオフィス街がねらい目。昼食のサラリーマンやOLも意外と買ってくれます。
午後は住宅地を流しながら、繁華街を目指します。
15時~18時はショッピングモールや商店街など人が集まる場所をターゲットにします。この時間帯は非常に良く売れるので狙いましょう。
18時~21時は住宅地を中心に回ります。お夜食や夜のおやつとして非常に良く売れます。
休日の販売
休日に関しては午前中は住宅街を流し、11時頃からは大きな公園や遊園地に止め売りします。休日は人が集まる場所で停車して売ることで、絶えず売れ続けますので、人が集まる場所を良く調査し毎週出店しましょう。
毎週出店することで、お客様にも覚えてもらいやすくなります。
キッチンカーで焼き芋を販売するのに必要な設備
キッチンカーで焼き芋屋を開業する際にどのような設備が必要か解説します。
キッチンカー(移動販売車)
ワンボックスカーや、中にはスポーツカーで販売している人もいますが、いずれにせよ営業許可が不要で車の仕様に決まりが無いので、選べる車の幅は広いです。
焼き芋販売では、荷台に設備を組み付けることができ、中古での入手性や価格の面からもメリットが大きい「軽トラック」をベースに改造している人が圧倒的に多いです。
本格的にやるなら雨風をしのげ、見た目にも清潔でこだわりの感じられるキッチンカーがおすすめです。
焼き釜
業務用の芋焼き機にはガス式と電子式があります。
焼き芋壺を使う人もいますが、焼くのに時間がかかり大量に生産できないのが難点です。
焼き芋の移動販売は極端な話、車と焼き釜、さつまいもがあれば開業できてしまいます。
キッチンカーを目立たせるために提灯やのぼり、スピーカーなどあった方が当然集客には有利です。
まとめ
ここまで「キッチンカーで焼き芋屋の開業」について解説してきました。
キッチンカーの焼き芋屋は何と言っても開業するのに営業許可が不要(移動販売の届け出は必要です)で初期コストも低く、調理経験もいらないので気軽に始められるのがメリットですね。
流行も無く、ずっと愛され続けてきた食べ物ですので、やり方次第では安定した高収入が見込めます。はじめて商売をする人にもキッチンカーの焼き芋屋はおすすめです。