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出店場所の確保はキッチンカー経営の生命線

出店場所の確保はキッチンカー経営の生命線|場所の見つけ方・確保の仕方をご紹介

2020年7月28日

キッチンカーを開業するとき、最初に越えなければならない関門の一つに「出店場所の確保」があります。

キッチンカーは、その機動性から実店舗では難しい場所にも出店ができて有利な反面、希望する場所がなかなか見つからない・出店の許可が取れないという困難に遭遇することも珍しくありません。出店場所の確保は、まさにキッチンカー経営の生命線とも言えます。

そこで、この記事では、キッチンカーを出店するのにふさわしい場所の見つけ方や、安心して場所を確保するための方法についてご紹介します。

出店場所を制する者は、キッチンカー経営を制す

出店場所を制する者はキッチンカー経営を制す

キッチンカーを使った出店を考える場合、実店舗のように「一つの場所にとどまる」戦略を考えるのは、あまり得策とは言えません。

リピーターがたくさんいて、場所を固定した方が明らかに売上が見込めるという場合を除き、複数の出店場所を渡り歩きながら売上を立てるのが基本です。

曜日・時間帯・気候に応じて、好条件を満たす出店場所を複数確保しておくことが、安定して利益を出すためには不可欠です。

また、それぞれのスポットを「育てて」利益を出すことは、キッチンカー経営の醍醐味でもあります。口コミ・SNSなどによって自分のお店が人気店になり、最終的にはリピーターだけで経営が安定するようになったら、無駄な移動をすることも少なくなります。

複数のスポットで同じ状況が生まれるなら、どこに行っても安定した利益が出せるでしょう。

成功している人は、どんなところに出店してる?

キッチンカー経営で安定した売上を出している人は、誰かに頼って成功を勝ち取っているわけではありません。どのような場所に出店すれば成功できるのか、きちんと分析した上で戦略を立ててから出店しています。

とはいえ、売れる場所の傾向はある程度決まっており、良い場所を見つければ長期的に売上を確保することも可能です。

以下に、一般的に知られる主なポイントをご紹介します。

各種イベントへの参加

イベントへの参加

フェスやマルシェなどのイベント会場はキッチンカーの定番の出店場所です。

お店によっては、開催から終了までの数日間で100万円を超える売上を出すこともあり、経費を計算した上で相場観を押さえた売値を決めれば、確実に稼げるポイントの一つです。

売上だけでなく、お客さんに自分のキッチンカーを覚えてもらったり、同業者との良い関係を作るのにもイベント参加はとても良い機会になります。

開業から間もないうちはイベントの開催や応募情報が上手に掴めなかったり、選考に落ちたりして、安定してイベントに参加することが叶わないかもしれませんが、参加するメリットは非常に大きいので、諦めずに積極的に応募し続けると良いです。

「ランチ難民」のいるオフィス街

オフィス街

オフィスビルが立ち並ぶ区画の中には、極端に飲食店が少ない地域があり、昼食を食べる環境に何らかの不満を抱いている人も少なくありません。

そのような中で、突如オシャレなカレー屋・美味しそうなラーメン屋があると、ついつい足を運んでしまうのが人間というものです。

アミューズメント施設

アミューズメント施設

飲食店が少ない環境はオフィス街だけとは限りません。意外かもしれませんが、ゲームセンターやボーリング場など、アミューズメント施設の近くに食堂がないケースは多く見られます。

もちろん、自前で用意できているところに出店してもしょうがありませんが、食べ物の選択肢が極端に少ない地域であれば、人気店になれる可能性は十分あります。

クレープ・たこ焼きなど、施設に通う客層を分析して軽食を販売すれば、思わぬ売上を確保できるかもしれません。

新しい出店場所はこうやって確保する

せっかく人気が出そうな場所を見つけたのに、手続きの準備が上手くいかずに先を越されてしまうのはもったいない話です。新しい出店場所を速やかに確保するためにも、基本的なノウハウは押さえておきましょう。

仲介サイト・仲介業者を利用する

仲介サイト・仲介業者

自分でお店を見つけるために、様々な場所に足を運んでみることは大切です。しかし、手続きを何もかも自力で行うと、その分どうしても時間がかかってしまいますし、希望通りの条件を満たせるとも限りません。

そこで、出店場所の提供者と希望者とをつなぐ仲介サイト・仲介業者を利用すれば、効率的に情報を集めて出店できます。

複数のサイトに登録しておけば、その分選択肢が増えますし、より好条件な場所で出店できる可能性も高まります。

商工会議所・観光協会・イベント運営局に登録する

商工会議所・観光協会・イベント運営局に登録

出店する地域がある程度固まっている場合、その地域で多数のイベントを運営している組織に入会するのも、営業先の幅を広げるのに役立ちます。

具体的には、各地の商工会議所・観光協会・イベント運営局などが該当します。

年会費などが発生しますが、比較的良心的な値段から口数を設けているところも多く見られます。また、商工会議所で会員事業者にキッチンカーを貸し出す試みを始めた自治体もあります。

野外フェスなど、信頼関係ができれば色々と優遇してもらえるケースもありますから、まずは顔を出すことから始めてみましょう。

気になる店舗には直接交渉してみる

気になる店舗には直接交渉

自分で街中を歩いてみて絶好のスポットを見つけたとき、大抵の人は「いいな」と思いながらも、その場を立ち去ってしまいます。

しかし、どうしてもあきらめきれないなら、一度直接交渉してみることをおすすめします。

建物の近くのスペースであれば、そのオーナー・経営者にコンタクトを取ることからスタートします。その際、どのような形で営業し、貸主にはどんなメリットがあるのかを説明するために、企画書を準備していくと話がスムーズです。

もちろん、最初から良い結果が得られるとは限りませんが、成功すれば仲介業者などを利用するよりもコストがかからない分、利益が増します。

出店実績がある程度積めたと思ったら、ダメもとでチャレンジしてみましょう。

トラブルなく出店場所を確保するためのポイントとは?

続いては、トラブルなく出店場所を確保するためのポイントをいくつかご紹介します。出店までの一連の流れを知り、なぜそのような段取りが必要なのかを考えておくことで、リスクを最小限に押さえることができます。

まずは下見・お試し出店から始める

まずは下見・お試し出店

安全性・確実性を高めるためには、一見良さそうな出店先に見えても、きちんと裏取りが必要です。どう見てもキッチンカー向けのスペースがあるのに、出店しているのを見かけないということは、何かその土地に問題があるのかもしれません。

近所の人に話を聞いたり、同業者仲間から情報を集めたりして魅力的な場所だと分かったら、できれば一日から1か月間程度、お試しで出店させてもらい、様子を見ましょう。その結果をもとに出店料を再交渉したり、メニュー構成や仕入れ・仕込みの量を調整したりすれば、確実性の高い運営が可能となります。

出店場所は一つに絞らないこと

出店場所は一つに絞らない

キッチンカーの大きなメリットは、出店場所を自由に変えられることです。このメリットは、たとえ特定の場所で人気店になることができたとしても、失わないよう心掛けた方が良いです。

仮に、現在出店している場所が何らかの事情で使えなくなってしまった場合、他の出店場所を知らないと、また一から下見・お試しの期間を設けなければなりません。

また、近所に新しいレストラン・食堂などがオープンすると、一時的にそちらに客を取られてしまうリスクもあります。

複数の場所での出店を経験しておけば、天候不良や有事の際にも安心して移動・集客ができます。

このようなリスクヘッジ以外にも、新しい場所に出店することによって新規顧客を増やしたり、いつも同じ場所に居ないことで新鮮味や希少性を失わないようにしたり、イベントに参加して短期集中で稼いだりというように、収益アップの面でも大きなメリットが得られます。

出店場所を「育てる」ことの意味とメリット

出店場所を育てる意味とメリット

キッチンカーを使った移動販売でよく言われるのが、「出店場所を育てることが安定した売上をあげるコツ」という考え方です。

上手く集客できないからといって短期間で何度もキッチンカーが出店と退店を繰り返すと、その場所はお客さんにも見放された荒れた地になります。

逆に、最初は上手く行かなくても辛抱強く出店し続けることによって、いつの間にかその場所が「キッチンカーの場所」と認知され、足を運んでくれるお客さんが徐々に増えてくるというケースも少なくありません。

違う料理を提供するキッチンカー同士で一箇所に集まって営業するという発展形もあります。いつも同じご飯では飽きられてしまいますが、複数のキッチンカーが集まればメニューの幅を広げられるので、安定した集客が見込めます。

無許可出店は絶対ダメ

無許可出店はダメ

移動販売は自由度の高い販売方式ですが、いつでも・いかなる場所でも車を移動させて出品できるわけではありません。

どこかのスペースを借りるなら持ち主の許可が必要ですし、路上で商売をしたいなら、管轄の警察署に「道路使用許可」の申請をしなければなりません。ただし、お祭りなどの特別な場合を除き、道路使用許可がおりることはまずありません。

仮に、道路使用許可が必要な場所で許可を取らずに営業していた場合、3ケ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。

まとめ

出店場所について考えることは、キッチンカー経営を円滑に進めるためには必須条件です。どの場所に出店するのか、最初に決めた場所以外にも出店できるところがあるのかを考えて、希望する条件を満たした場所を複数押さえておくことも、戦略上重要になってきます。

確実に出店のチャンスを手に入れたいなら、仲介サイト・業者の利用や、商工会議所などの組織に加入すると、選択肢を増やせます。

しかし、同業者同士の横のつながりを無視したり、自力で新規開拓をしなかったりする状況が続けば、やがて壁に突き当たってしまうかもしれません。

そこで重要になってくるのが、出店場所を「育てる」という概念です。自分一人が儲かればよいという考え方ではなく、最終的に自分も仲間も、出店場所のオーナーも、お客様も、すべてに福が訪れるような商売を意識することが、息の長い商売につながるのだと思います。