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飲食店経営の失敗例とリスクについて。難しいのには理由があった

飲食店経営の失敗例とリスクについて。難しいのには理由があった

2020年9月7日

一般的に、実店舗を構える飲食店経営は難易度が高いと言われており、店舗拡大などの方法を取らなければ利益が出ないビジネスモデルという一面があります。

その反面、堅実な方法を選んで利益を出し、その上で安定した経営を続けているところもあります。

飲食店経営は多くの人がチャレンジしている分野のため、成功例こそ人それぞれですが、失敗例も数多く存在しているため、失敗した店舗に共通する要因を特定しやすい傾向にあります。

この記事では、飲食店経営の失敗に至る理由とリスク要因について、成功者・失敗者それぞれの視点からお伝えします。

確実に覚えておきたい「失敗する人」の特徴

確実に覚えておきたい「失敗する人」の特徴

成功例は、現在繁盛しているお店を分析すれば分かりそうなものですが、なかなか失敗例をまとめてチェックしようとする人は少ないものです。

しかし、失敗例の綿密な学習こそが、自分が失敗しないためにはもっとも大切なことです。

まずは、飲食店経営を始めるなら確実に覚えておきたい、失敗する人の特徴についてお伝えします。

イメージ先行で数字が追い付いていない

これから飲食店を経営しようと考えている人にとって、理想のお店の形をイメージすることは楽しい時間です。

  • 「静かな空間で、落ち着いた雰囲気の中、コーヒーと自家製ケーキを食べて欲しい」
  • 「来てくれる人の憩いの空間にしたい」
  • 「誰もが熱く夢を語れる居酒屋にしたい」

そのようなイメージから、店舗のデザインを考えていくこと自体は悪くありません。

しかし、店主が実現のために必要な数字をまったく理解していない状況であれば、話は変わってきます。

例えば、コーヒーとケーキだけで経営を回そうと考えることが、どれだけ難しいかを考えてみましょう。
コーヒー・ケーキの味の違いが細かく分かるお客さんならともかく、多くの場合、一般客は店主のこだわりについてそこまで理解は深くありません。つまり、すぐに飽きられてしまうおそれがあるということです。

また、本を読めるほどくつろげる空間を作ってしまうと、回転率は悪くなります。滞在中にコーヒーをおかわりしてくれるならまだしも、何の消費もしてくれないなら、そのお客さんからお金が生まれることはありません。

対策としては、例えば嗜好性の高いアルコールを取り扱う方法があります。アルコールを準備した分だけ、客単価や利益率も上がることが予想されます。

このように、飲食店を経営する場合、利益につながる商品の提供を頭に入れた上で店舗の雰囲気をイメージすることが大切です。

出店エリアへのこだわりが強すぎる

飲食店を開業するにあたり、地元重視の意識が強いと、希望する場所への思い入れが強くなる場合があります。

実際のところ、経営面を優先して考えるのであれば、出店エリアをどこにするかよりも「売れる場所はどこなのか」に特化してリサーチした方が、結果につながりやすくなります。

また、せっかくよいテナントが見つかっても、予算の都合から断念した場合、次の候補があるのとないのとでは、対応のスピードに自ずと違いが生じてきます。

自分のお店のコンセプトを実現できる場所を、幅広い観点から探すことで、既存の出店エリアにこだわらない考え方ができるようになるはずです。

契約に関する問題を軽く見ている

飲食店に関する契約事は、非常にシビアなものと心得ておきましょう。

周辺に自分のお店しかない場合を除いては、必ずライバル店が近くに存在しているものです。

物件の契約自体はスムーズに進んだとしても、他のお店と場所がかぶってしまうような状況だと、事前に許可を取らなければ悲惨な結果を迎えるおそれがあります。

例えば立て看板を出そうと思っても、隣のテナントがすでに場所を取っていて、物件の契約後に話を持ち掛けても相手方が聞く耳を持たないケースは往々にして存在します。

一度物件を契約してしまったら、もう後には引けません。契約時や、契約した後に起こりうるトラブルに関しては、「だろう」よりも「かもしれない」のスタンスで臨むことが大切です。

融資に苦戦する・そのことに心当たりがある

夢を見ることは自由ですが、その夢を相手に理解してもらうのは大変なことです。特に、融資の申請は最初の1回目でどれだけ熱意を伝えられるかが重要になり、過去に自分がやってきたことも厳しく見られます。

もし、直近で支払いの滞納などがあった場合、それがもとで「お金にルーズな人」の烙印を押され、融資が通らないこともあります。

現状の自分が、胸を張って他人様から融資を受けられる立場かどうか、自分の属性を客観的に見つめ直すことが大切です。

経営分析能力に乏しい

事業計画を綿密に立てることは大切ですが、経営は良くも悪くも先が読めない部分があります。

新型コロナウイルスが世界中のライフスタイルを変えてしまったように、経営において自分が何とかできる範囲はとても限られています。

対策としては、いつも最悪のことを考えた上で、お金の計算をするクセをつけることです。計画がとん挫するリスクを片っ端からあげていき、その状況下でどんな手を打てるのかイメージすることが必要です。

メインとなる食材の仕入れ値が上がり続ければ、商品価格を上げるか、それとも据え置くかの選択が必要です。

内装・修繕の見積もりが予算を超えるような場合は、DIYでできる範囲・あきらめる範囲を想定し直さなければなりません。

数字は、経営のすべてを物語る指標です。細かいことをコツコツ考え続けることで、自分自身の商売のやり方に自信がつきますから、頭でっかちにならず今の状況を柔軟に考えることが大切です。

根性論で何とかしようとする

経営において、諸刃の剣となるのが「根性論」です。

飲食店経営を続けていると、時に「頑張れば何とかなる」と気合を入れて取り組まなければならない場面には何度か遭遇しますが、それだけで経営はどうにかなるものではありません。

アルバイト・パートを雇い入れる場合、別に経営責任を問われるわけでもない立場の人間が、経営者の根性論に付き合えるはずがありません。

経営が悪化している状況を無視せず、自分のやるべきことを真剣に考えた上で、淡々と対応する覚悟を持ちたいものです。

成功者も、半永久的にその地位が保証されるわけではない

成功者も、半永久的にその地位が保証されるわけではない

飲食店経営の恐ろしいところは、仮に経営が軌道に乗っていたとしても、その地位が半永久的に保証されるわけではないという点です。

状況は刻一刻と変化していきますし、ライバルが増えるリスクも無視できませんから、成功し続けるためには自分のやり方にいつまでもこだわらないスタンスが求められます。

オリジナリティは紙一重

自分のお店を運営するにあたり、他のお店では真似できないオリジナリティを構築することは大切です。

しかし、個性の強いお店は、強いリピーターを作りやすい反面、そのこだわりを捨てられず方向転換できなくなるおそれがあります。

リピーターに悪いからといって、流行を取り入れず今までの雰囲気を堅持しようとするのは、殊勝な心がけではあります。

ただ、いつまでも同じリピーター様が自分のお店を選んでくれるとは限りませんから、常に新しい顧客をお店に入れる努力は続けなければなりません。

「勝つ」ことと「勝ち続ける」ことは違う

ライバル店が登場したら、当然ながらライバルに勝つための方法を模索しなければなりません。

分かりやすいのは「値引き」という方法ですが、続け過ぎるとお客さんから見て底値が分かってしまうデメリットがあり、「安売りしていないなら行かない」というお客さんが発生するリスクが生じます。

勝負に「勝つ」ことと、「勝ち続ける」ことの間には、大きな違いがあります。全戦全勝ということは、一流プレイヤーでもありえない確率ですし、事実多くの人が負けを経験して成長しています。

たとえ一度の勝負に負けても、その次・そのまた次で巻き返すためには、一度の目立った成果を出すより安定して収入を得られる方法を探った方が効率的です。

安定して経営を続けているお店は、そのことをよく知っています。

「堅実な経営」に対する価値観の違い

セオリーを守りながら経営を続けるのは大切です。しかし、いつまでも既存の方法にとらわれていると、思わぬ失敗を犯すことがあります。

今の成功がどうして生まれたのかを正しく分析しなければ、いつの間にか世の中の変化に取り残されてしまいます。

例えば、いわゆる「飲みニケーション」が忌避される時代が来ることを予見していた居酒屋であれば、ランチ営業・メニュー改善などの方法をとって夜の営業を減らす戦略を立てられますが、気にせず通常営業を続けていると、次第にお客さんの数が離れていくような状況に遭遇しかねません。

昭和時代の学生たちは、学生酒場などで人間関係を醸成してきた経験があるかもしれませんが、平成・令和と時代が過ぎていく中、そのような雰囲気も薄れていきました。

よって、お酒とお酒を囲む雰囲気を好む世代に訴える商品開発など、お酒にまつわるものからイメージを広げていかなければ、生き残りは難しくなっているのです。

今ある成功例を理解した上で、自分のお店にどこまで新しいアイデアを取り入れられるのか。ある意味では「堅実な経営」という概念さえ破壊する覚悟が、成功者には求められます。

飲食店経営の失敗リスクを減らすためには

飲食店経営の失敗リスクを減らすためには

これから飲食店を経営する際に、少しでも失敗のリスクを減らそうと思ったら、資金フロー・SNS・コスト圧縮・店舗形態という4つの要素に注目する必要があります。

以下に、それぞれのポイントについて解説していきます。

資金投資から回収までのフローを綿密にイメージする

経営を続けるためには、何はともあれ「お金」が必要です。仮に資金が工面できたとして、投入する際の計画を立てること自体はかんたんですが、最終的に投入したお金を「いつまでに回収できるのか」を考えなければ、経営サイクルは回りません。

期限を設けなければ、いつまでも借金の返済と日々の費用支払いに追われ、余剰利益を残すことなど夢のまた夢です。

最終的に利益を残せるだけの売上を確保するためには、例えば以下のような費用がいくらかかるのか、明確に数字を出す必要があります。

  • 食材購入にかかる原価
  • アルバイトなどの人件費
  • 家賃等
  • 消耗品費
  • 広告宣伝費
  • 販売管理費

そして、それらをペイしても利益が残るように売上を計算した時、どれだけの売上高が何年間必要なのか考えなければなりません。

店舗や事業の規模によって金額は変わってきますが、これらを日・月・年単位で追っていき、都度計画を修正しながら利益を増やすことが、飲食店経営には求められます。

SNS集客のメリットとリスクを知る

開店前・もしくは開店して間もない状況であれば、SNSを使った集客がある程度有効です。

フォロワーがついて、その人たちがいつもお店に足を運んでくれるとは限りませんが、SNSに投稿された画像や宣伝を見てお店の存在を知ったという人も少なくありませんから、結果につながるかどうかはともかく情報発信ツールとして利用する価値はあります。

例えば、移動販売を行うキッチンカーであれば、ツイッター・インスタグラムを使って店舗の出店情報をリアルタイムで発信することができます。

いちいちビラを配る手間もなく、世界中に情報を発信できるのは、初期費用をかけられない事業者にとって大きなメリットです。

その反面、ちょっとした思い付きで発言したことが、思わぬ形で炎上してしまうリスクもあります。

特に、政治・宗教・病気の話など、センシティブな話題を投稿する場合、自分にきちんとした知識がなければ逆効果になります。

また、あまりに商売じみた表現だけに固執してしまうと、かえってお客さんが離れてしまいます。

SNSでの集客を成功させるには、メリットとリスクを正しく理解することが大切です。

コスト圧縮に向けた方法を探る

経営においてコスト感覚を鍛えることは重要ですが、何もかもコストカットだけで解決できるほど甘くもありません。
売上を出すために無視できない部分・コストカットできる部分を仕分けた上で、コスト圧縮を検討すべきです。

例えば、原価を減らすのに食材の質を下げることは、お店のレベルそのものを下げてしまうことにつながるため、食材のレベルは保ち、それ以外の部分でコスト圧縮を検討した方がよいでしょう。

しかし、おしぼりは枚数によってレンタルよりも使い捨ての方が安くなる場合があるため、品質にこだわりがないなら通販を検討した方が安いかもしれません。
自分のお店にとってメリットのある方法・無難な方法を試しながら、経費圧縮のコツをつかむことが重要です。

店舗の形態にこだわらない

お店をデザインする前に、自分にとってどのような店舗・経営形態が理想なのか、あらためて考える時間を設けましょう。

すでに立ち上げてしまったなら仕方ありませんが、まだテナント契約にまで至っていないなら、複数の可能性を考えてみましょう。

  • 特定の地域でお店を立ち上げたいなら、小規模の飲食店からスタートする
  • 場所を移動してもOKで、メニューがある程度絞れているなら移動販売を考える
  • 料理を提供することそのものがやりたいなら、出張料理人という選択肢もある

このように、発想次第で店舗の形態はいくらでも変わってきます。
まずは、自分のやりたいことを掘り下げて考えた上で、リスクの低い方法を模索しましょう。

おわりに

おわりに

自分のお店を持ちたいという夢には、様々なリスクがつきものです。真剣に経営を考えるなら、数多くの失敗例から学び、どれだけリスクを減らせるか考えなければなりません。

特に、売上がなければ経営は基本的に成り立たないため、まずは理想のお店をイメージすることより、どうやって売上を立てるのかに着目して計画を立てるべきです。

その意味で、小規模店舗を移動させながらお客さんを探せるキッチンカーは、非常に理にかなった選択肢の一つです。

お客さんを待つだけでなく、こちらから会いに行けるというメリットは、知名度の低い中では非常に有利に働きます。

自分がやっていることを広く知ってもらい、実績ができた段階で店舗を構えるという戦略も立てられますから、将来のビジョンとして検討してみてはいかがでしょうか。