キッチンカーの人気メニューとその理由を紹介
キッチンカーの人気メニューをジャンル別に紹介し、そのうえで人気の理由について考察します。
メニューを決めることはキッチンカー運営において最重要のテーマです。どのようなメニューが人気か、また、なぜ人気かを知ることは、実際にメニューを決める際の参考情報となります。ぜひ参考にしていただければと思います。
ランチ系の人気メニュー
ランチ系メニューとは、ランチ(昼食)の需要を満たす商品のことです。定番メニューとして人気があるのが、カレーライスと丼ものです。
代表的な出店場所は、オフィス街や大学など、お昼ごはんを買いに来る人たちがいるところや、イベント会場などです。販売時間のピークはお昼前から14時くらいまで。活動時間が短いように感じますが、その分仕込みに時間をかける傾向にあります。
キッチンカーでの調理オペレーションが複雑でないため、注文を受けてから素早く提供でき、短い時間のなかで販売数を稼ぐことができるという特徴があります。
- カレーライス
- カレーは、今や日本の国民食ともいえるほど老略男女問わず人気のあるメニューです。本格的なスパイシーなカレーから、家庭的な馴染みのあるカレーなど、味のバリエーションが豊富です。
- 同じカレーでも、キーマカレーやグリーンカレーのように、ルーや具材を変えることで幅広いアレンジが可能です。こだわりのオリジナルメニューも作れるので、他店との差別化を図りやすく、日によってカレーの味を変えることで日替わりメニューを提供することもできます。数種類の味を提供することで、お客様の再来店も期待できます。
- 丼もの
- 丼ものは、ご飯と具材を一つの丼ぶりで手軽に食べられて、さらにお腹の満足度を満たせるので人気があります。
- 丼ものにはたくさんの種類があり、ボリューム重視の男性客にはガッツリ系の豚丼、ヘルシー思考な女性客には野菜たっぷりのカフェ丼など、それぞれに合うメニューを作ることができるため、他店との差別化はもちろん、自身のお店の色を出しやすいメニューといえます。
- ピザ
- ピザの最大のメリットはメニューの豊富さです。トッピングを変えるだけで、様々な種類のピザを作ることができます。そのため、お客様に飽きられにくいというメリットがあります。
- 石窯を使った実演販売でアピールする店舗も増えています。「出来たてアツアツの本格的なピザを比較的低価格で食べられる」と評価されています。
- いくら美味しい料理を提供できたとしても、そこに特別感やシズル感(みずみずしさ)がなければお客様はなかなかお店に近づいてくれません。その点、石窯を使ったピザ販売は、生地をこねたりのばしたり、カラフルな具材でトッピングしたり、香ばしく焼き上げたりすることで、料理をより美味しく特別なものに見せることができます。
軽食系の人気メニュー
軽食系メニューとは、小腹を満たす商品のことです。定番メニューとして人気があるのが、からあげやたこ焼き、クレープです。
代表的な出店場所は、スーパーやショッピングモールの駐車場、公園、イベント会場など。販売時間のピークはランチが終わった午後、夕方くらいからはじまります。基本的にはお昼前から出店し、夜まで営業するキッチンカーがほとんどです。
- からあげ
- キッチンカーで販売するからあげは、「揚げたてで美味しい」「気軽に小腹を見たせる」などの理由から非常に人気が高いです。そのため、昔から軽食系メニューの定番として存在しています。
- オフィス街、スーパーの駐車場、イベント会場など、出店場所を問わず需要があります。特にイベントにおいては、立ったまま、あるいは歩きながらでも食べられる、つまようじを使えば手を汚さず食べられるという理由で重宝されます。
- また、からあげは平日でも休日でもバランスよく売れるメニューです。実は男性だけでなく女性からの人気も高く、また、夕食に一品追加できるという理由で主婦層にも需要があります。
- たこ焼き
- たこ焼きも、時間や場所を問わない人気メニューのひとつです。ランチとしても、おやつ感覚でも食べられるので、販売のピーク時間帯が長く、また、からあげ同様、野外で食べやすいという特徴があります。
- 粉ものは、肉類と比べて原価が低いです。そのため、コストを抑えて営業することができます。また、たこ焼きの食材は小分けにしやすく、廃棄ロスが少ないのもポイントです。
- クレープ
- クレープはスイーツというイメージが強いですが、トッピング次第で軽食系にもなる魅力的な食べ物です。受け取ってすぐに食べられたり、そのままテイクアウトができたりと、味だけに限らず、お客様の多様な好みや要望に応えることができます。
- キッチンカーにおいてはまず、調理に必要な設備が少なく、開業資金が少なくて済むというメリットがあります。火を使わないので、天井高の低い軽バン・軽ワゴンベースのキッチンカーでも営業できます。
- また、クレープは薄い生地を1分もかからず焼き上げ、あとはチョコやカット済みのフルーツ、ホイップなどをトッピングするだけで出来上がるので回転率がよく、しかも粉ものなので原価が安く、トッピングの材料次第で利益をしっかり確保できます。
ドリンク系の人気メニュー
ドリンク系のメニューは基本的に原価が安く、利幅を大きく取れるというメリットがあります。また、販売のピークが緩やかで、どの時間帯でも安定した販売が可能。単価が低い反面、1日のうちに同じ人に複数回買ってもらえるチャンスもあり、その際、子どもでも飲めるジュースを用意しておくと子連れ客を取り込め、客単価を上げられます。
- コーヒー
- 厳選されたコーヒー豆を使ったスペシャリティコーヒーや、エスプレッソマシンで抽出した本格的なコーヒーを提供するキッチンカーが増えています。
- コーヒーは、朝から夜遅くまで、時間を問わず販売することができます。また、夏はアイスコーヒー、冬はホットコーヒーと、季節ごとに強みを活かせるのもポイント。ベーシックなコーヒーに加えてラテやマキアートなどでバリエーションを持たせれば、幅広いお客様に利用してもらえるでしょう。
- レモネード
- お祭りの定番ドリンクでもあるレモネード。柑橘系のスッキリとした味わいで飲みやすく、若者から大人、シニア層まで広く訴求できます。冬にはホットレモネードの提供も可能です。
- レモンにはクエン酸、ビタミンC、カリウムが豊富に含まれており、これらによって疲労回復効果が見込めるとされています。コーヒー同様、ホッと一息いれたいときにあると嬉しい飲み物です。
- レモンの原価は安く、しかもレモネードは加熱調理が不要なので設備費や光熱費があまりかからないというメリットがあります。
人気メニューをベースにメニュー開発するとよい
キッチンカーの人気メニューをジャンル別に紹介してきました。
キッチンカーで人気といっても特別変わったメニューがあるわけではありません。なぜなら、多くのお客様は基本的に「味が想像しやすい定番メニュー」をキッチンカーに求めているからです。
しかし人気の秘密を深く探っていくと、これらのメニューには「具材やトッピングの幅が広く、メニューのアレンジがしやすい」「原価が低く、利幅を大きくしやすい」などの共通部分が見つかります。
幅広い層のお客様に訴求するには、キッチンカーという限られたスペースでいかにバリエーション豊富なメニューを展開できるかがカギになります。また、通常の飲食店と比べ単価を上げにくいキッチンカーでは、原価の安さもメニュー選択の大きな要素です。
ぜひこのような点に着目し、人気メニューをベースにしたオリジナルのメニューを考えてみてください。