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キッチンカーでオムライス屋さんを初めるときに押さえておきたいポイントと必要な準備

キッチンカーでオムライス屋さんを初めるときに押さえておきたいポイントと必要な準備

2020年10月22日

チキンライスの上にふわとろの卵、さらにその上からデミグラスソースをかけたオムライスは、ランチタイムの救世主です。食事として十分なボリュームがあり、味がハッキリしていて店による当たり外れも少ないため、高い確率で満足感が得られます。

キッチンカーを経営する立場からみても、オムライスは商材として実に優秀です。老若男女、幅広い層から人気があり、料理自体に店頭集客力があることが最大の利点です。

この記事では、オムライスが持つ販売上のメリットをおさらいしたうえで、十分な売上をあげるためにするべき工夫や対策について解説します。また、開業にあたり必要な資格・許可・設備・備品などの情報もご紹介します。

キッチンカー界でビジュアル最強を誇るオムライス

キッチンカー界でビジュアル最強を誇るオムライス

オムライスはほかの料理と比べて視覚的に訴える力が優れています。卵の黄色とケチャップの赤はどちらも暖色系の色であり、空腹中枢を刺激して食欲を増進させます。アクセントにパセリやクレソン、グリーンピースなどの緑を加えるだけで、いわゆる「信号ルール」があっという間にできあがり、栄養バランスもよく見せることができます。

商品のビジュアルが優れていることはキッチンカーの店頭集客において非常に大きなアドバンテージを持ちます。ランチタイムは時間が限られているので、即断即決で食べ物を手に入れ、素早く食事を済ませてしまいたいと考える人が多いからです。

即決を促す要素はほかにもあります。それは高い認知度です。キッチンカーでは、味が想像できる食べ物がよく売れ、反対にあまり知られていない珍しい食べ物は、たとえ味がよくても売りにくいとされています。その点、オムライスは子どもから大人、シニア層まで幅広く浸透している大変ポピュラーな料理ですし、お米がメインということで、お腹をしっかり満たしてくれそうなイメージもあります。そのため、スピーディーに判断しなければならないシーンでは特に購買率が高まるわけです。

子どもに人気であることも強みのひとつです。子どもを連れたファミリー客は、子どもが食べられるものを基準にお店を決める傾向にあります。色鮮やかで楽しく見えるオムライスは、遠くからでも子どもを惹きつけます。

オムライスの移動販売で押さえておきたいポイント

オムライスの移動販売で押さえておきたいポイント

見た目のよさやインパクトに徹底的にこだわる

ビジュアルのよさはオムライスの最大の武器です。上からケチャップをかけただけのシンプルなオムライスも悪くはありませんが、移動販売ではややインパクトに欠けますし、個性が見えないので他店との競争に勝つのが難しくなります。

半熟のオムレツをライスの上に乗せ、お客様自身に切り込みを入れていただき、中身がこぼれる様子を楽しめるようにしたり、2種類のソースを盛り付けたりといった工夫をすることで、ビジュアルのよさをさらに強化しつつ、ここだけでしか食べられないという希少性を植え付けることも可能です。

このように料理の見た目にこだわることがオムライスの移動販売では特に有効です。

できるだけお客様を待たせない工夫

オムライス販売の弱点をあげるとすれば、オーダーを受けてから提供するまでに時間がかかるということです。見た目や味にこだわるほど顕著化する問題です。

オムライスのようなランチ系メニューの移動販売では、ランチタイム等のコアな時間帯の売れ行きがそのままその日の売り上げになります。つまり、限られた時間の中でどれだけ販売数を稼げるかが勝負です。そのためには提供スピードの底上げが重要です。

提供スピードを上げるには、車内で行う工程をできるだけ少なくすることがポイントです。その場での調理はオムレツのみに絞り、あらかじめ仕込んでおいたライスとソースを盛り付けてお出しする。仕上げまでに要する時間は1分を目安にするとよいでしょう。

オムライスは適度にボリュームがあり、単体でお腹を満たすことができる料理ですから、サイドメニューを豊富に用意して客単価を上げる必要性は小さいです。メニューを増やすことでオペレーションは複雑化しますから、できるだけシンプルなメニュー構成が望ましいと言えます。お客様のメニュー選びも短時間になりますから、そこでの時間ロスも防げます。

参加者の多く見込まれるイベントに参加する際は、一時的に人員を増やすことを検討します。売り上げを最大化するという目的もありますが、最も大事なことは、無駄な行列を回避し、一人でも多くのお客様のニーズに応えることです。

ランチ・夕飯時以外の時間帯は難しい

オフィス街でランチタイムを過ぎてしまうと、途端に食べ物を食べようとする人は少なくなります。休憩時間が変則的に設けられているオフィスを除いては、概ね11時から14時頃が休憩時間となるため、オフィス街で営業するならその時間帯が狙い時です。

それ以外の時間では、やはり夕飯時が狙い目ですから、帰宅途中の会社員を狙うなら18時頃に駅チカスペースに停める、17時頃ならおかずなどを買いにきた主婦を狙うなど、いくつかのアプローチが考えられます。

たこ焼きのようにホットスナック的な営業は厳しいため、ランチ・夕飯時以外の時間を狙うのは難しいかもしれません。

オムライスのキッチンカーを開業するための準備

オムライスのキッチンカーを開業するための準備

オムライスのキッチンカーを開業するためにはどのような準備が必要でしょうか。以下に、おすすめのキッチンカーの種類や、開業前に取得すべき資格、設備・備品などについてご紹介します。

キッチンカーは軽トラックベースで十分営業可能

オムライス作りに必要なスペース・設備について考えると、多くの人はやはり洋食屋のイメージが頭に浮かぶと思います。しかし、オムライス以外のメニューを用意するならまだしも、基本的にオムライスで勝負しようと考えているなら、軽トラック・軽1BOXをベースにした車両でも十分営業できます。

提供する量を増やしたい・作業スペースを広くしたいなどの希望があれば、普通車のトラックタイプを選ぶ方法もありますが、低予算で、限られたメニューから様子を見たい場合は、まず軽トラックベースの車両を検討するとよいでしょう。

営業には飲食店営業の許可が必要

オムライスのキッチンカーを営業するためには、いくつか資格・免許が必要です。以下に、主なものをご紹介します。

普通自動車/中型自動車免許

軽自動車がベースになっているものなら、基本的に普通自動車第一種運転免許を取得すれば問題ありませんが、トラックの重さによっては中型自動車免許の取得が必要です。

車の重さ・大きさだけでなく、自動車運転免許を取得した時代によって、どのタイプの車に乗れるかが変わってきます。

キッチンカーを購入する前に、自分が取得した免許がいつのものか・どんな車に乗れるのかを必ず確認しましょう。

「飲食店営業」の営業許可

オムライスのキッチンカーを所定の地域で営業する場合、営業する地域を管轄する保健所に足を運んで、飲食店営業許可証を取得する必要があります。

飲食店営業許可証には、オムライスだけでなく、例えばカレーライス・タイ料理・餃子といった、一般的にランチ系メニューとして認識されるものはほとんどが該当します。

営業許可の有効期限は5年間となっていて、継続する場合は5年ごとに更新料を支払う形になり、更新は許可を取得した地域で行います。

また、オムライスの場合はソースなどの仕込みをする「仕込み場所」が必要になりますので、そちらについても許可の取得を忘れず行いましょう。

食品衛生責任者

食品を商品として提供する場合、各施設で営業許可の取得が必要になり、その際は必ず1名以上の食品衛生責任者を配置します。キッチンカーで商品を提供する場合、食品衛生責任者の資格を取得することになります。

各都道府県の食品衛生協会で講習会が開かれており、その中で「衛生法規・公衆衛生学・食品衛生学」に関する講習を受けて、修了証をもらいます。その後は、更新することなく全国共通の資格として扱われますが、実際に営業手続きを行う際には、営業先の管轄となる食品衛生協会に確認が必要です。

熱源はガスコンロが理想

オムライスは、卵を焼く過程で火力を必要とします。トッピングは仕込みである程度用意できても、卵だけは、強力なガスコンロを用意しなければ理想的な調理はできませんし、提供スピードも遅くなってしまいます。そのため、電気よりもガス、カセットコンロよりも卓上ガスコンロ(ガスボンベ)を使った方がよいです。

カウンターは汚れがついても手入れが楽なステンレスを選び、換気扇や調理小物入れ・2層シンクを装備すれば、オムライス用キッチンカーの形は整います。大量のご飯を保温できる保温ジャー・複数のソースを用意するための深型バット・レードルも必要です。

お客さんに提供するための容器は、テイクアウトも考えて深めのものがよいでしょう。

まとめ

まとめ

オムライスをキッチンカーで提供して成功した例は、フランチャイズ含め少なくありません。それだけに、オムライスをキッチンカーで出せば売れると考える人は意外と多いかもしれませんが、売上を出し続けるためには、やはり飽きられないための工夫が必要です。

ソースの種類など、お客さんが選べる選択肢をいくつか用意しておけば、その分自分の店を選んでくれる確率を高められます。また、どんな味をしているのかを想起させる写真を看板にするなど、オムライスならではのカラフルなデザインを、多くのお客さんに見せてアピールしたいところです。

ランチメニューのため、出店できる時間は限られますが、地域によっては時間を問わず出店できるポイントが見つかるかもしれません。オムライスをキッチンカーで出品する場合は、オペレーションのスピードを上げ、ランチタイムのピークを見極めつつ、最善の判断につなげましょう。