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ポテンシャルを秘めたホットドッグのキッチンカー。開業時に押さえておくべきポイントを紹介

ポテンシャルを秘めたホットドッグのキッチンカー。開業時に押さえておくべきポイントを紹介

2020年10月22日

野球の試合を観ている時や、高速道路のサービスエリアでちょっと小腹が空いた時など、ホットドッグは休みの日に見かける機会が多いファストフードです。

発祥の地・アメリカでは長い歴史を持ち、国民食的存在です。日本でも、食べたい時にはコンビニや売店などで気軽に食べることができ、屋台や移動販売でも数多くのお店が取り扱っています。

この記事では、ホットドッグをキッチンカーで移動販売したいと考えている方に向け、開業したあと早期にビジネスを軌道に乗せるために必要な考え方やコツを何点かご紹介します。開業に必要な資格・許可・設備などについても細かく解説していますので、是非参考にしてみてください。

大きなポテンシャルを秘めたキッチンカーのホットドッグ販売

大きなポテンシャルを秘めたキッチンカーのホットドッグ販売

ホットドッグ販売は「売れる場所探し」が特に重要

ホットドッグはどこで売ってもそれなりにニーズのある食べ物と思われがちです。しかし実はそのようなことはなく、映画館のポップコーンのように特定の場所やシーンで条件反射的に欲しくなるものであるため、キッチンカーでホットドッグを販売する際には出店場所の選定が大きな鍵を握ります。

一般的なイメージとして、ホットドッグはイベント会場やスタジアム、映画館、高速道路のサービスエリアなどで販売されているのが印象的です。このような場所でホットドッグがよく売れるのは、過去に同じような場所でホットドッグを食べて美味しかった・楽しかった記憶が思い出されるからでしょう。

イベントやスタジアムなど、愉快で非日常的な体験をする場所を中心に出店を繰り返していくことで、ホットドッグ販売に適した場所が効率よく発見できるはずです。

食事時の存在感の弱さは「専門店」にすることでカバー

日本でホットドッグブームのピークを迎えた昭和40年。当時は屋台でホットドッグが飛ぶように売れたそうです。現在は一変して人気が下火になり、積極的に取り扱う飲食店や小売店は少なくなりました。

キッチンカー市場でも、ホットドッグを扱うお店自体は多いものの、看板商品として売られることは少なく、コーヒーのお供だったり、カレーやパスタといったメイン料理のサブとして、おまけ程度に用意したりしているところがほとんどです。ホットドッグは食としての重要度が低いため、ランチや夕飯時ではよほど周りに何もない場所でない限り、人目を引くことは難しいでしょう。

しかし突破口はあります。それは「ホットドッグの専門店」として出店することです。一般的なものよりもサイズを大きくし、素材にも徹底的にこだわった個性的なホットドッグであれば、食事としても受け入れられ、これまでは難しかったランチ需要を満たせる可能性があります。

ホットドッグの専門店は、さまざまなコストを小さく抑えることができ、フットワーク軽く動けるキッチンカーでこそチャレンジすべきお店です。現時点でホットドッグ専門のキッチンカーはまだそれほど多く出回っていないので、今がまさに開業のチャンスと言えます。

コンセプトは明確に。追求するのは手軽さか品質か

ホットドッグ販売では、売る側だけでなく、買う側もお店を見て直感的に分かるほどコンセプトが明確になっていないと中途半端になってしまいよくありません。

手軽さや価格の安さを追求するのなら原価を極限まで抑える必要がありますし、専門店のようにホットドッグひとつで満足感を与えたいのなら食材やボリュームに徹底的にこだわる必要があります。

質にこだわる場合、たとえばブランド豚を使ったソーセージや、地元のパン屋が焼いたソフトフランスパンを使うなど、ひとつひとつの食材を吟味し、選びぬいたものを使います。また、チリドッグなど、異なる味のソーセージやソースを用意するのもよいでしょう。

ホットドッグのパンの長さは概ね17cmが標準的と言われています。食事として買ってもらいたいのならもっと大きなパンとソーセージを用意したほうがよいでしょうが、もし女性をメインターゲットにするならあまり大きすぎるのも考えものです。口をより大きく開ける必要がでてきますし、ソースで服や手が汚れる心配も大きくなります。あえて5~10cm程度のミニサイズで用意し、味の違う2~3種類をセットで売るのもよさそうです。

このような工夫は手間がかかりますし原価も当然高くなりますが、特別なホットドッグであることをアピールできれば単価を上げやすいですし、もし味や見た目でお客様を感動させることができればSNS等で話題になり一躍人気店になれる可能性もあり、そうなれば多少の利益率の低さは十分にカバーできるでしょう。

ドリンクとセットで提供することでトータルの原価率を下げるのもよい方法です。お客様にとってみても、パンは口内の水分が取られますし、味の濃いお肉を食べることもあって、ドリンクとセットで購入できることは嬉しいはずです。

ホットドッグのキッチンカーの開業に必要な設備や許可

ホットドッグのキッチンカーの開業に必要な設備や許可

初めての開業なら軽トラックベースが無難

ホットドッグのキッチンカーは、軽自動車ベース・商用車ベースのいずれも見かけることができます。

扱うメニューを絞れば、軽自動車を使って機動的に売上を伸ばす戦略を立てられますが、トッピング・品数にこだわるならスペースの大きい商用車ベースが有利です。

初めてキッチンカーを始める場合で、商品構成がある程度決まっているようなら、まずは軽自動車ベースで様子を見るのがよいでしょう。また、実店舗でホットドッグを販売していて、事業展開の一環としてキッチンカーを考えているなら、商用車ベースを選べば提供できる味が増えます。

どちらを選ぶかは、開業の動機や目標とする売上の規模などによって変わってきます。
ただ、総じてリスクが低いのは、初期投資や維持費が少ない軽自動車ベースのキッチンカーです。

ガス台や鉄板が必要になるケースも

ホットドッグを作るのに使う調理器具などの設備は、作り方や具材によって選び方が変わってきます。

ソーセージをボイルするなら寸胴が必要ですし、パンも含めて焼くならオーブン・鉄板・ガス台などの設備に投資しなければなりません。出来上がったものを保温するため、スチーマーも用意する必要があります。

トッピング・具材に野菜を使うなら、冷蔵庫や水周りの整備も重要です。また、ホットドッグとフライドポテトをセットで頼む人もいるので、フライヤーを準備しておくとニーズに応えやすくなります。

調理において、ガス・電気を使う頻度が高いので、発電機の性能やガスのインフラ整備にどのくらいお金がかかるのかはチェックしておきたいところです。すぐにトッピングをかけて提供できるよう、バット・レードル・トングなどの導線も工夫します。

営業には飲食店営業の許可が必要

ホットドッグの移動販売は、ただキッチンカーを用意するだけではできません。以下に、取得が必要な資格・免許についてご紹介します。

各種自動車免許

キッチンカーは自動車の一種なので、公道を走行するのに普通自動車免許など、自動車免許の取得は必須です。特筆すべき注意点としては、自動車(キッチンカー)の車両総重量に応じて、取得すべき自動車免許の種類が変わることです。

2020年現在、普通免許(車両総重量3.5t未満)・準中型免許(車両総重量7.5t未満)・中型免許(車両総重量11t未満)といった形で、免許の種類によって乗車できる車の条件が違います。

運転するキッチンカーの車両タイプによっては、免許を新しく取得する可能性があることを頭に入れておきましょう。

食品衛生責任者の資格と営業許可

キッチンカーで移動販売をはじめるには、食品衛生責任者の資格と、車に対する営業許可が必要になります。

食品衛生責任者の資格は、各都道府県、自治体による食品衛生責任者養成講習を受講することで取得できます。受講するだけで取得可能ですが、講習会には定員があり、満員の場合は受講できませんので、開業を決めた時点で早めに申し込むのがよいです。

営業許可は、出店場所を管轄する保健所に申請し、交付を受けます。営業許可の種類はいくつか存在しますが、ホットドッグの場合は「飲食店営業」の許可が必要です。

自治体によって車内の設備等の基準が詳しく定められているため、条件を満たさなければ許可が下りません。スピーディーに許可をもらうためには、経験者・プロの製作業者のアドバイスを聞きながら準備を進めるのが無難です。

まとめ

まとめ

ホットドッグは、数あるキッチンカー向け商品の中でも、販売のハードルが低い商品に数えられます。アイデア次第で味のバリエーションも豊富に用意でき、多くの場所で存在感を示せます。食事時にはほかの料理のかげに隠れがちですが、専門店を謳うことでその点もカバー可能です。

ホットドッグ販売では明確なコンセプトを掲げることが重要です。これは食事なのか、それともおやつなのか、はっきり伝える必要があります。いずれにしろ、原価率をトータルで考え、売れる商品ラインナップをアップデートし続けることが、成功への近道になるでしょう。