キッチンカーのレンタルでも営業許可が必要?
キッチンカーをレンタルする場合でも営業許可の取得は必須です。営業許可をスムーズに取得するためには、事前にしっかりと準備しておく必要があります。
準備するものはキッチンカーだけではなく、設備や必要書類、営業許可に必要な資格取得などさまざまです。営業許可の概要をはじめ、取得までの手順や注意点を詳しく紹介します。
「準備不足で営業許可を取得できなかった」とならないよう、この記事でポイントを押さえておきましょう。
営業許可とは?
営業許可とは、保健所が指定する基準を満たしたキッチンカーに対する許可のことです。営業許可を取得しないと、キッチンカーの営業はできません。
販売場所を管轄する保健所で営業許可を取る必要があるため、さまざまな場所に出店したい場合は複数の保健所の許可が必要になります。営業許可を取得するための条件や基準は各自治体によって異なるので、保健所に問い合わせましょう。
申請時の手数料は約10,000~20,000円ほどで、5年ごとの更新にかかる費用は約8,000~12,000円。申請時だけでなく更新にも費用がかかるため、営業を行う地域の絞り込みをすることが重要です。
また、「営業許可の名義」と「キッチンカー(車両)の名義」は同じでなければなりません。レンタルの場合は、キッチンカーの名義がレンタル会社になっているので、名義変更の手続が必要になります。名義変更には時間がかかるので、前もって準備するようにしましょう。
レンタルのキッチンカーで営業許可を取る手順
レンタルのキッチンカーで営業許可を取るためには、必要な書類を集めたりキッチンカーの設備を整えたりとさまざまな準備が必要です。手順は多いですが、以下を参考にしていただき、スムーズに営業許可が取れるよう流れを把握しましょう。
- 保健所へ行って事前相談をする
- 事前相談では、営業するための条件や用意すべき設備などを聞いておきましょう。メニューによって必要な設備や資格も変わってくるので、メニューも決めておくとスムーズです。後々、手間を減らすためにも事前相談のときに申請書を入手しておくことをおすすめします。
- 条件に合わせてキッチンカーをレンタルする
- 保健所で提示された条件に合うようにキッチンカーをレンタルします。どのような設備が必要かレンタル会社に伝え、条件を満たしたキッチンカーをレンタルしましょう。
- 営業許可の申請書類を手数料と一緒に保健所に提出する
- キッチンカーの名義変更手続きが完了するまで約2週間~1ヵ月ほどかかるため、その間に保健所に提出するための必要書類を準備しましょう。
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提出書類は各保健所によって多少異なりますが、基本的に以下8つの書類が必要です。許可申請の手数料も忘れずに持参しましょう。
- 営業許可申請書
- 営業設備の配置図
- 仕込み場所の営業許可証の写し
- 食品衛生責任者の資格を有する証明書
- 許可申請手数料
- 車検証のコピー
- 仕込み場所の水質検査証明書
- 検便検査成績書
- キッチンカーがレンタルできたら検査を受ける
- キッチンカーがレンタルできたら、保健所に持ち込んで検査を受けます。検査が無事に通れば2週間ほどで営業許可証が発行され、その後キッチンカーの営業が可能となります。
レンタルのキッチンカーで営業許可を取る際の注意点
キッチンカーをレンタルして営業許可を取得する際には、以下2つの注意点があります。
- キッチンカーの営業ができるまでに時間がかかる
- 条件を満たした設備が整っているか確認する
レンタルするキッチンカーの名義変更に時間がかかるだけでなく、保健所による衛生面や安全面へのチェックが厳しくなっているため設備を準備するのにも時間がかかります。キッチンカーの使用日が決まっている方は、準備期間に注意しましょう。
キッチンカーの営業ができるまでに時間がかかる
名義変更の手続きは約2週間~1カ月程度、営業許可証の発行は2週間程度かかります。キッチンカーの営業ができるようになるまでに、最低でも1カ月程度はかかると思っていたほうが無難です。
通常の車をレンタルするように簡単にレンタルできてすぐに営業できそうなイメージですが、販売や調理などさまざまなことを行うキッチンカーは簡単にレンタルすることができません。
基本的にはレンタル会社が名義変更の手続きを行い、レンタルしてきたキッチンカーを保健所に持ち込んで営業許可の審査をしてもらう手順となりますが、営業許可を取るためのサポートをしてくれるレンタル会社もあります。このようなサービスを利用すると、2週間程度ですべての手続きが終わることもあるので、時間に余裕のない方は利用するのもひとつの手段です。
条件を満たした設備が整っているか確認する
キッチンカーの設備は、営業許可が取れる条件に合わせて準備する必要があります。
以下に、必ず必要な設備・保健所のチェックポイントをまとめました。
- 調理場と運転席が完全に区切られているか
- 給水・排水タンクの容量を満たしているか
- シンクの数が揃っているか
- 収納棚に扉が付いているか
- 手洗い石鹸や消毒用アルコールは設置されているか
- 換気扇は付いているか
- 冷蔵庫・冷凍庫は設置されているか
- 蓋付きのゴミ箱は設置されているか
自治体によって違いがあることやメニューによっても必要な設備が違います。基準をクリアしなければ営業許可が取れないので、しっかりと確認をしましょう。
レンタルしたキッチンカーで営業許可を取得しよう
レンタルは簡単にできてすぐにキッチンカーの営業ができそうなイメージですが、さまざまな手続きや準備があり、意外にも時間や手間がかかります。
営業許可を取るための基準は細かく定められていて、事前にそれを把握することが大切です。レンタル会社によっては、営業許可のサポートをしてくれこともあるので、不安な方はサポートのあるレンタル会社を利用するのもひとつの手段です。
なるべく時間と負担をかけずにキッチンカー運営を始められるよう、レンタルの仕組や手続きの流れを把握して準備していきましょう。