
キッチンカーでたこ焼きを販売するメリットや開業時の秘訣
商売としてたこ焼き屋を考える場合、たこ焼きはキッチンカー出店しやすい商品ジャンルの一つ。
縁日などでよく売られる商品の一つですから、キッチンカー・屋台で売るには持ってこいの商品と言えます。
実は、中には売れすぎて国税局に告発されてしまったお店もあるほど、たこ焼きはホットなジャンルです。
この記事では、そんなたこ焼きをキッチンカーで売るメリットや、開業時に押さえておきたいポイントをご紹介します。
- 『キッチンカーでたこ焼きを売りたいけど、どんな準備が必要なんだろう……』
- 『コストってどのくらいかかるのかな?』
- 『せっかく売るんだから、確実に儲けたい。』
そんな不安や疑問・決意を抱いている方は、最後までじっくりお読みください。
たこ焼き屋のキッチンカー(移動販売車)のメリット
たこ焼き屋は、キッチンカーを使ったビジネスとしては比較的一般的ですが、確実かつ大幅に儲けられる可能性を秘めています。
冒頭で紹介した「国税局に告発されたお店」の売上は年商2億円、脱税額は約1億3,200万円と言われています。しかも、大阪城公園の売店で売っていたというのですから驚きです。
やり方次第では大きく稼げる可能性を秘めているため、正しくメリットを理解すれば、短期間で大きな収穫が期待できるはずです。
以下に、たこ焼き屋をキッチンカーで始める際に知っておきたい、主なメリットをご紹介します。
ターゲット層が広い
たこ焼きは、ほとんどの人が好んで食べる食べ物です。食事・おやつ・酒のつまみと、どんな世代にも受け入れられ、どんな場面にも溶け込みます。
また、プラスチックのフードパックに入れて持ち運べるため、その場で食べることも、テイクアウトもできます。
利幅が大きい
経営する側の目線で見ると、原価率を減らす点でたこ焼きは優秀な食材の一つです。たこ焼きの材料費だけで考えた場合、原価率は多く見積もっても35%程度に落ち着きます。
もちろん、原価だけを見ればかき氷や綿菓子の方が安いのですが、通年かつ老若男女に買ってもらえる商品として考えると、たこ焼きの方が魅力が大きいです。
設備がシンプル
初期投資の面から考えると、一つの商品を売るたこ焼き屋は、食堂・カフェなどと違い調理道具や家電の準備が最小限で済みます。
デメリットはライバルが多いこと
たこ焼き屋の唯一にして最大のデメリットは、同じことを考えて出店しているライバルが多い点です。
具材や作り方など、その店ならではの強みがなければリピーターを確保することが難しいため、どこまで自分のお店を知ってもらえるかがポイントとなります。
たこ焼きはシンプルな作業工程のため、技術や保存状態で味が大きく変わってきます。また、販促にしっかり力を入れないと、なかなかお客さんの心に残りません。
足を運んでくれたお客さんと、積極的にコミュニケーションを図ることも大切です。
こういった課題を一つひとつ乗り越えることが、キッチンカーを使ったたこ焼き販売には必須と考えてよいでしょう。
出店する際に押さえておきたいポイント
続いて、実際にたこ焼き屋を出店する際に、押さえておきたいポイントをいくつかご紹介します。
開店に必要な資格・ターゲットの絞り方・出店時間や場所などの情報を参考に、自分なりの営業スタイルを考えてみましょう。
必要な免許・許可
たこ焼き屋を始めるにあたっては、最低限以下の資格が必要です。
- 普通自動車免許(車両総重量によって必要な免許が違う)
- 食品衛生責任者
- 移動販売車の営業許可(飲食店営業)
まず、キッチンカーを運転するにあたり、特殊な免許は必要ありません。普通自動車免許を取得していれば、その車両総重量に応じた車を運転できます。
食品衛生責任者の資格に関しては、食品衛生責任者養成講習会が行っている6時間の講習を受ければ取得できます。取得が必要な科目と時間は、公衆衛生学(1時間)・衛星法規(2時間)・食品衛生学(3時間)です。
移動販売車の営業許可は、営業活動をする各自治体の保健所で「飲食店営業許可」を取得します。
たこ焼き以外の物をサイドメニューとして提供する場合、別途営業許可を取得する必要が出てきますので検討が必要です。
ターゲット層とおすすめの時間帯・出店場所
たこ焼きは、年齢・性別関係なく、誰にでも受け入れられる食べ物ですが、いつでもどこでも誰もが買ってくれるとは限りません。一見売れそうな場所・時間帯でも、たこ焼きを求める人が少ないケースは往々にして存在します。
自分ならいつたこ焼きを食べたいか・多くの人がたこ焼きを買おうとするタイミングはいつなのかを考え、ターゲットと場所・時間帯を絞りましょう。
一般的には16~20時が、たこ焼きのよく売れる時間帯とされています。ターゲットは広いですが、主に主婦層となります。たこ焼きは訪日外国人からも人気があるので、コロナ騒動が世界的に落ち着けばターゲットに加わります。
場所については、たこ焼きは何かのついでに買われる場合が多いので、スーパーの入り口付近やディスカウントストアの駐車場は最適と言えます。
また、たこ焼きはちょっとした食事にもなるので、大学のキャンパスや、遊園地・パチンコ店などの駐車場に出店すれば、手早くお腹を満たしたい人たちに重宝されるはずです。
たこ焼き販売に必要な設備
- たこ焼き器(ガス式であればガスボンベも)
- 冷蔵庫
- 3層シンク
- 給排水タンク
- その他の調理器具
たこ焼き器にはガス式と電気式がありますが、移動販売では固定型店舗と同じガス式が主流です。電気式に比べて火力が強く、外はカリッと、中はふわっとした焼き上がりになるのが特徴です。
電気式は稼働にガスを使わないのが最大のメリットです。移動販売ではプロパンガスを使用しますが、近年、持ち運びができるタイプのプロパンガスは契約を断られるケースが多く見られます。また、プロパンガスの使用が認められていない施設もあります。
このように、どうしてもガス式のたこ焼き器が使えないケースでは、電気式を用いることになります。ただし、電気式は火力を長時間維持するのが難しく、また、本体の価格が高く開業時の負担になるという欠点があります。
焼き板は銅製のものが理想です。熱伝導性が高いので短時間で焼き上げることができ、時間にシビアな移動販売では特に有利です。
ただし短時間で手早く調理する技術が必要になりますし、鉄製と比べて導入&メンテナンスのコストも大きいので、その辺りも考えて検討する必要があります。
価格は大きさやグレード等で大きく違ってきますが、例えばガス式+銅板の5連式のもので10万円前後です。
冷蔵庫は小型のもので1万円以内、比較的大きな台下冷蔵庫で7~13万円程度。冷凍ストッカーは4万円未満といったところですが、これらはあくまでも目安であり、必要な大きさはキッチンカーの規模に応じて変わってきます。
シンクと給排水タンクはキッチンカーの制作会社に依頼すれば特注品が用意できます。各種調理器具については、最低限のものをワンセットで買うなら、6千円ほどで見つかります。
大掛かりなものは少ない反面、実際に準備する場合は細々としたものも含まれているため、漏れの無いようにリスト化しておくと良いでしょう。
まとめ
キッチンカーでたこ焼き屋を作ること自体は、難易度としてそれほど高くありません。
カフェなどのように細分化された作業を必要とせず、基本的にはたこ焼きの焼き方さえマスターすれば成立する仕事と言っても過言ではないでしょう。
しかし、単純だからこそ創意工夫が必要で、同じことを考えるライバルも数多く存在しています。たこ焼きではなく「お店」を売るための努力が必要になりますし、たこ焼きを必要としている人に的確に届けるマーケティング能力も重要です。
逆に言えば、経営のノウハウがあるなら、挑戦する価値はあるジャンルです。戦略が当たれば億万長者も夢ではありませんが、ある日突然マルサの査察を受けないよう、確定申告はしっかり確実に行うようにしたいですね。