クレープのキッチンカー(移動販売車)が人気な理由と開業準備のポイント
キッチンカーと言えば、いつの時代もオシャレで人気なクレープ屋さんがあります。その人気なクレープ屋さんは、甘いクリームやフルーツを使い、特に女性や子どもが集まってきます。人気でしかもお手軽に食べられるクレープは、初めて移動販売をされる方にもオススメな商品です。
今回は、キッチンカーでクレープ屋を開業するにあたって、必要な資格や許可、押さえておきたいポイントなどを紹介していきますので、参考にしてみてください。
クレープのキッチンカーのメリット・デメリット
幅広い層に人気のクレープですが、それでもメリット・デメリットがあります。開業前に、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
メリット:必要な設備が少ない
クレープのキッチンカーは営業に必要な機材が比較的少なく、開業資金が少なくて済みます。必要な機材は、クレープ焼き器、冷蔵庫、シンク、作業台などで、あとは小物類があれば開業できます。
メリット:回転率・利益率が良い
クレープは他の商品と比べて調理時間が短いので回転率が良く、単価は安くても、短時間で大きく売り上げを上げることも可能です。また、粉物全般に言えることですが、原価が安く、利益を確保しやすいです。作り置きしておく必要がないので食品ロスも少ないです。
ただし、トッピングによっては原価がかかる場合があります。
メリット:安定した人気がある
クレープはいつの時代も人気があり、安定して売れる食べ物です。しかもターゲットは若年層、特に若い女性ですので、一度人気に火が付けばSNS等で一躍有名店になれる可能性も秘めています。
デメリット:高齢者が多い場所には不向き
たい焼きや焼き芋とは対象的に、クレープは年齢層が上がるにつれ需要も落ちます。ですから高齢者中心のイベント等への出店には不向きと言えます。
デメリット:夏場に売り上げが落ち込む
クレープはどちらかと言うと季節に影響されにくい食べ物ではあるものの、それでもやはり夏場は売り上げが多少落ち込みます。アイスクレープ等の夏場でも売れるメニューを追加することで、ある程度売り上げの減少が抑えられます。
開業時に押さえておきたいポイント
開業に必要な資格や許可
- 普通自動車免許
- 食品衛生責任者の資格
- 移動販売車の営業許可(菓子製造業)
まずキッチンカーを運転するにあたり自動車運転免許が必要です。4トン車など特別に大きなキッチンカーを用意するでも無い限り、普通免許で十分です。
次にキッチンカーで食品を販売するために、食品衛生責任者の資格と移動販売車の営業許可が必要になります。食品衛生責任者の資格は、各都道府県、自治体による食品衛生責任者養成講習を受講することで取得できます。
移動販売車(キッチンカー)の営業許可は、各自治体の保健所に申請し、許可を受けます。クレープの移動販売は調理営業の「菓子製造業」に分類されますが、ドリンク等のサイドメニューを扱う場合、そのメニューが属する業種の営業許可が別途必要になることがあります。
なお、クレープに必要な生クリームや生フルーツは衛生管理が難しく、食中毒の危険性から、許可を取るのが難しくなっています。クレープの移動販売を開業することを決めたら、まず最初に出店場所を管轄する保健所に取り扱いが可能かどうか確認しましょう。
クレープの主なターゲット層
クレープは若い女性や子どもが主なターゲット層になります。キッチンカーの外観は、若い女性や子どもに好かれるような明るくポップなデザインが良いですね。
おすすめの出店場所と時間
若い人や家族連れが集まる場所や時間帯が好ましいです。
時間帯に関しては、クレープは比較的どの時間帯でも売れますが、甘みの強いスイーツは体や頭を使って行動したあと、一息つきたいときに特に需要が増します。休日の昼下がりのショッピングモールや、本屋、文具店などは最適と言えるでしょう。
クレープのキッチンカーで利益を出す方法
クレープのキッチンカーで最大限の利益を出すための工夫をいくつかご紹介します。
定番以外のメニューも用意する
クレープはクリーム系が人気で、生クリームにイチゴやチョコ、バナナ、ブルーベリーなどを入れたものは定番ですね。
これらの定番メニュー以外に、ツナサラダやベーコン、ウィンナーなどが入った「食事系のクレープ」を取り入れると、甘いものが苦手な人や、お昼ごはんを食べに外出している人も呼び寄せることができ、集客の幅が広がります。
コーヒーやジュース、タピオカなどのセットメニューを用意するのもターゲットを広げ、さらに客単価も上がるので効果的です。
ただし最初からメニューを増やしすぎると、調理に時間がかかってしまうことで回転率が悪くなったり、具材によってはロスが出たりしますので注意してください。
SNS映えする商品を開発する
クレープ販売のターゲットはInstagramなどのSNSを頻繁に利用する層と一致します。味はもちろんのこと、見た目にも美しくインパクトのある商品にすることで、SNSで爆発的に認知してもらえる可能性があります。
コストをできる限り減らす
移動販売の開業資金で一番負担になるのがキッチンカーの調達費用です。車種や改造内容にもよりますが、それなりに見栄えがよく実用的なキッチンカーを用意しようとすると数百万円は下らないので、中古車ベースのキッチンカーの製作を検討してみてはいかがでしょうか。
また、クレープ焼き器や冷蔵庫、ショーケースなどの機材も中古品が出回っています。機材を中古で揃えるだけで数十万円のコストカットも不可能ではありません。
もう一つ重要なのが、小麦粉やトッピング、生クリームなどの仕入れです。原価率を抑えるために仕入先は慎重に選びたいところです。
まとめ
クレープのキッチンカーについて、メリットやデメリット、押さえておきたいポイントなどを紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
開業時にかかるコストが小さく、それでいて原価率が良く収益性が高いクレープ販売は、移動販売の商材として非常に優秀なもののひとつです。
食文化として定着しているクレープは、安定した人気があって売りやすく、しかも見た目がポップで可愛らしいのでSNSで拡散されやすく、集客力にも秀でています。
定番メニュー以外の商品を用意したりコストを極力減らすなどの一工夫でより安定した高収入が見込めますので、ポイントを押さえた上で開業準備をスタートしたいですね。