キッチンカーでコーヒー店を始めるには?必要な準備と開業時のポイントを紹介
コーヒーは「心の渇きを癒やす飲み物」として世界中で愛飲されているとてもポピュラーなドリンクです。全日本コーヒー協会が行った調査によると、日本人のコーヒー飲用杯数は1週間で1人平均10.62杯にもなるそうです。
これだけ需要のあるコーヒーですから工夫次第で人気店になれる可能性は十分にあり、移動販売でも一躍脚光を浴びている商材です。
この記事では、キッチンカーでコーヒー販売を行うメリットや、開業に必要な免許・設備、売上を出すための工夫などについて解説します。
キッチンカーの商材にコーヒーを選ぶメリット
まずコーヒーを販売する最大のメリットは、なんといっても他の食品にはない技術的なハードルの低さです。初めての飲食業としてもうってつけです。
身近なラーメン屋と比較すると、麺は仕入れて茹でるだけにしても、常に均一に茹でなければならず、スープは仕込みから提供までに費用や時間・労力が大きくかかるうえにトッピングの工夫も必要です。
粉もの代表のたこ焼きもまた身近ですが、生地や具を作り、その後焼かなければならず、火の通り加減も難しく、技術的にはやや難易度が高いと言えます。
その点コーヒーは、極論“お湯を注ぐだけ”で技術的なハードルはかなり低いと言え、また調理器具も他の食品、商材に比べて“コーヒーを淹れる”ものだけとシンプルです。さらに、キッチンカーという物理的な制約がある中で、コーヒーなら十分一人で接客、調理が可能です。
技術的ハードルの低さと設備・人員が最小限で済むコーヒーこそ、移動販売に最も適した商材と言えます。
コーヒーのキッチンカーを開業するための準備
キッチンカー(移動販売車)
まずはキッチンカーを準備する必要があります。初めての飲食業としてコーヒーを移動販売する場合や、販路拡大で移動カフェをする場合でも、おススメは軽自動車ベースのキッチンカーです。
なぜならコーヒーの移動販売は大きな調理設備が必要ないため軽自動車ベースで十分なスペースを確保できるのと、なにより普通車や小型トラックベースの車両に比べて初期費用も維持費も大幅に抑えられるからです。
キッチンカーを選ぶポイントの第一は信頼できる業者から購入、またはキッチンカーとして架装してもらうことです。キッチンカー製作・販売専門のK-BOX(http://www.k-box.jp/)では、独自開発の軽トラックベースのキッチンカーを扱っており、全国納車にも対応しています。
資格・免許
まずキッチンカーを運転するために自動車運転免許が必要です。特殊な免許は必要ありませんが、車の大きさによっては中型免許クラスが必要となります。
次に、キッチンカーで食品を販売するため、食品衛生責任者の資格と、キッチンカーに対する営業許可が必要です。
営業許可は、出店場所を管轄している保健所で申請を行います。コーヒーのみの販売なら喫茶店営業の許可だけですが、販売メニューにピザやホットドッグを加えるなら飲食店営業、メロンパンやドーナツなら菓子製造業も合わせて取得する必要があります。
また、食品衛生責任者養成講習会が行っている講習を受け、食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。
設備・備品
コーヒーを淹れる設備機器も必須ですが、コーヒーだけでなく軽食などもう一品を提供するなら、冷蔵庫や冷凍庫、コンロ、鍋などの装備が必要になってきます。
肝心のコーヒーはドリップ式やサイフォン式など淹れ方にもよりますが、エスプレッソマシンで淹れる場合は必ず発電機など電源の確保が必須になります。
エスプレッソマシンは消費電力が1,000Wを超えることもあり、バッテリーでは動作時間が短くなったり、最悪動作しないこともあります。出店会場で必ずしも十分な出力性能を備えた電源が確保されているとは限りませんので、確実な営業のためには自前で発電機を用意することも考えましょう。
コーヒーの移動販売で押さておきたいポイント
出店場所とターゲット
繁盛店にするには出店場所選びが大切です。コーヒーを飲む人、サイドメニューを頼む人はどこにいるかで理想の出店場所は変わってきますが、いずれにしてもオフィス街や学生街はコーヒー販売のメインターゲットになるでしょう。
出店時間
コーヒーはランチタイムや2時~4時頃のブレイクタイムで特に必要とされます。また、オフィス街や学生街では朝の時間帯にも需要があります。コーヒーには消化を助けたり脳を活性化させたりする効果があるからでしょう。このような視点で考えれば、見込み客が集まる場所や時間帯がほかにも見つけられるはずです。
利益を出すために
コーヒーの移動販売はもともと原価を抑えやすいので粗利を出しやすく、客単価を上げる工夫と出店場所次第で十分に利益を出すことが可能です。
まずは主商材のコーヒーを吟味し、最も美味しくて安く仕入れられるものを選びましょう。そして大切なのは、そのコーヒーが如何に美味しいかを徹底的に訴求することです。
コーヒーは巷に溢れているので差別化しないと選んでいただけない商材で、安さで選んでいただく商売にすると利益は見込めません。キッチンカーのラッピングやメニューボードなどのデザインに工夫を凝らし、このキッチンカーでしか飲めないというプレミアム感を演出すると効果的です。
客単価を上げるには、ベーシックなコーヒーに加えてラテやマキアートなどでバリエーションを持たせたり、サイドメニューを追加したりするとよいです。調理済みのクッキーやマフィンなら、棚や冷蔵庫から出して即提供でき、回転を落とさずに営業できるのでおすすめです。
まとめ
コーヒーはお子様以外のほとんどが飲み物として選ぶポピュラーなドリンクで、ホットもアイスも両方用意でき、かつジュースやお酒などと違って仕事中、運転中、休憩中など1日を通して飲む機会が複数あるため、キッチンカーでも大変売りやすい商材です。
繁盛店にするにはコーヒーそのものの味や品質は当然として、プレミアム感を演出する雰囲気作りも重要です。キッチンカー製作の専門店に依頼し、他にはない個性的なデザインの車が制作できないか相談してみるとよいでしょう。