キッチンカー製作/販売 移動販売車のK-BOX

神根自動車販売株式会社
ブログ
Blog
キッチンカーの売上アップには提供スピードの向上が不可欠。スピードを上げる方法とは?

キッチンカーの売上アップには提供スピードの向上が不可欠。スピードを上げる方法とは?

2020年11月24日

スピーディーに同じクオリティの商品を提供し続ける牛丼チェーン店など、日本人は「早い・うまい・安い」の三拍子が揃うお店を好む傾向にあります。

これは実店舗のみならずキッチンカーにおいても同様で、提供スピードの早さを磨くことが、間接的に売上を増やすことにつながっていきます。

お客様にとっては、すぐに注文した商品が出てくるのはうれしいものですが、経営する側にとってもお客様をさばいた分だけ売上が確保できるメリットがあります。

この記事では、これからキッチンカーを開業する人や、開業したものの売上が伸び悩んでいる人に対して、キッチンカー経営において提供スピードがどれだけ重要性の高いファクターなのかを説明した上で、提供スピードを上げるための工夫をいくつかご紹介します。

キッチンカーにはスピード感が求められる

キッチンカーにはスピード感が求められる

キッチンカーの出店時間・営業時間は、実店舗と違ってそれほど長くありません。短い時間の中でどれだけ多くの商品を提供できるかが勝負だということを念頭に置き、営業戦略を立てていくことになります。

ピーク時間帯の中でどれだけ売るかが勝負

ランチ系メニューを扱うキッチンカーを例にとると、販売のピーク時間帯は11~14時の間です。つまり、長くても3時間しかピークタイムがないので、売る側としてはいつまでもダラダラと営業を続けていても時間を浪費するだけです。

オフィス街に出店した場合など、ピーク時間が実質30分程度というケースも考えられます。仮に1人あたりのオペレーションにかかる時間が5分・商品の料金が600円だとすると、どんなに頑張っても6人にしか商品を提供できないので、ピーク時に6人×600円=3,600円の売上しか確保できません。

もしオペレーションが1分になれば、同じ時間で30人に提供できるようになるので、30人×600円=18,000円の売上があがります。

上記はあくまでも理論上の計算に過ぎませんが、オペレーション時間がどれだけ売上に大きな影響をもたらすかは明白です。

過度な行列は売り逃しを招く

オペレーションのスピードを早めることには、もう一つの重要な意味があります。それは「過度な行列ができるのを防ぐ」ことです。

行列は人気店の証でもありますが、別の見方をすればお客さんを待たせてしまっていることにもなります。お客さんの中には限られた時間を工面して、少しでも早く食べられるお店を探している人も多いです。オフィス街などは特に顕著で、あまりに行列が長すぎると「今日は別のところで食べよう」と考える人が出てくるため、結果的に売り逃しによる機会損失を生んでしまいます。

提供スピードを上げるための工夫

提供スピードを上げるための工夫

少しでも提供スピードを上げるには、事前準備の徹底・提供方式の改善・調理オペレーションの改善など、いくつかの工夫を積み重ねていく必要があります。

以下に、提供スピードを上げるための工夫について、いくつか例をご紹介します。

調理工程の大半を別の厨房で仕込んでおく

営業許可を得る際、「仕込み場所があること」を条件としている自治体が多くあります。一部、工程が単純という理由などから必要としないケースもありますが、どちらにしてもキッチンカー内での調理工程は極力少なくしておきたいところです。

そのためには、調理工程の大半を仕込み場所(厨房)で行い、調理の手間を省くのが効率的です。たこ焼きを焼くのに、一からタコを刻んでいたら、当然ながら時間がかかって仕方がありません。

ただ、何もかもを仕込み場所で済ませてしまうと、単なる弁当売りと同じです。リアルタイムで商品が出来上がる過程もお客様は大切にしていることを理解して、仕込みは調理全体の8~9割ほどに抑えておきましょう。

短時間で調理できるように工夫する

調理工程を少なくする工夫に加え、各調理にかかる時間を短縮する努力もすべきです。

たとえばカットステーキなら薄めにカットしておけば火の入りが早くなります。このようなちょっとした工夫を積み重ねることが大きな時間短縮につながります。

トッピングが多数あるなら、キッチンポットを複数用意して目の前でかけるなど、魅せる工夫も忘れずに考えておきましょう。

車内レイアウトと調理オペレーションを日々改善する

製作段階では理想的と考えていた車内レイアウトでも、実際に出店して商品を提供する中で次第に不満が生まれることがあります。そのような場合、課題を放っておくのではなく、スムーズな導線を目指して都度レイアウトを改善しましょう。

このあたりのフットワークの軽さが固定店舗の飲食店に対するキッチンカーのアドバンテージでもあります。特に自ら改造して製作したキッチンカーなら、資材調達を含めてものの数時間で、見違えるほど大きく改善できることもあります。

セルフサービスを取り入れる

調理・味付けの手間を省くのは、自助努力だけでは限界があります。同じ料理でも、好みの味付けがお客様によって変わることは珍しくありません。

カウンターに複数の調味料を置いておくなどのセルフサービスを取り入れると、その分オペレーションの時間を短縮できます。ソースやトッピングは特に好みの差が激しいので、お客様にかけてもらえるならその方が効率的です。

人員を増やす

より直接的な方法として、人員(スタッフ)を増やすという手段もあります。

複数人のスタッフがいれば、調理の応援に回ってもらう・呼び込みを行ってもらう・お客様を誘導してもらうなど、それぞれの役割をフレキシブルに変えて対応することができます。

たとえばフェスや大型イベントなど多数の来場者が想定される場所に出店する際は、その分売上も見込めるので、人員を増やすことも検討していきましょう。

商品の提供窓口を増やす

複数人のスタッフで回す場合、販売面が複数用意されているレイアウトのキッチンカーが最適です。どの面からでも応対できますし、販売面それぞれにスタッフを配置し、注文・会計の応対と商品の提供を別々の窓口で行って効率化を図るといったことも可能です。

スピードにこだわりすぎて大切なことを見失うことも……

スピードにこだわりすぎて大切なことを見失うことも……

提供スピードを上げればその分お客様を効率的にさばけますから、売上にも反映されるでしょう。しかし、お客様がその後も自分のお店に通ってくれるかどうかは、当然ながらスピード以外の部分にも左右されます。

スピード・効率ばかりを追い求めていると、その中で大切なものを見失ってしまうおそれがあります。キッチンカーだからこそできる演出・お客様のケア方法を取り入れた上で、効率化を図ることが大切です。

最終工程はお客様の目の前で

キッチンカーは、できたて・作りたての商品を提供することに価値があります。出来合いの食べ物を提供するスタイルだと、コンビニや弁当屋などがライバルとなってしまうため、かえって苦戦を強いられるでしょう。

すぐにおいしいものを食べられるのに加えて、目の前で料理が完成する過程を見届けられる点が、お客様がキッチンカーに魅力を感じる要素の一つとなっています。どんな商品であっても、ただ商品を手渡すだけでなく、最終工程を見せることが大切です。

お客様とのコミュニケーションも忘れない

実店舗と違い、キッチンカーは屋台に似た構造のため、お客様と店主との距離が近いという特徴があります。自ずとお客様とのコミュニケーションが生まれやすく、オペレーションの合間に会話を交わすことができれば、リピーターを増やすことにもつながります。

ただ商品を提供するだけでなく、せっかく足を運んでくれたお客様に「ありがとうございます」・「お気を付けてお持ちください」と一言添えるだけでも、印象はかなり変わってくるものです。

ピークタイムを過ぎた時間帯に買いに来てくれたお客様には、感謝の気持ちだけでなく、今後の出店予定を伝えたりサービス券を渡したりするなど、リピーター化を狙った戦略を立てることも大切です。

まとめ

まとめ

キッチンカーという営業形態では、限られた時間で売上を出さなければならないため、ピークタイム・忙しい時間のマネジメントが重要になってきます。特に、提供スピードを早めることは、短時間で売上を確保するためには必須と言えます。

自店の条件に応じて工夫をこらし、最短でのオペレーションを目指すことは、回転率の向上・機会損失の減少につながります。しかし、スピード重視での営業を行っていると、キッチンカーだからこそ成立するコミュニケーションの機会を失ってしまうおそれがあります。

オペレーションの中に必ず含めるべき要素と、効率化する要素を分けて、バランスよく配分することが大切です。お客様の立場になって考え、お互いが得をする提供方式を構築すれば、いつの間にか客足が途絶えない人気店になっていることでしょう。