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キッチンカーならクイックデリバリー……本当にそうなのか?

キッチンカーならクイックデリバリー……本当にそうなのか?

2020年12月24日

特徴的な外見と積載量の多さが魅力のクイックデリバリーですが、すでに生産終了(2020年12月現在)しており、新車を入手することは不可能です。

独特な外見と積載量の多さから、クイックデリバリーはキッチンカーのベース車に適しています。

ウォークスルーバンという珍しい構造の利点や、「クイックデリバリーは貨物車である」という視点から見たメリット・デメリットに注目して解説します。

クイックデリバリーの特徴

クイックデリバリーの特徴

(出典:Wikipedia)

クイックデリバリーは特殊仕様のトラックで、車のタイプとしてはウォークスルーバンにあたります。緑色の宅配用トラックとして有名で、宅配業務を効率化するために開発されました。

車内を自由に移動できるので、運転席側、助手席側、そして後ろの側の全てのドアから乗降や荷物の積み下ろしができ、天井が高く、立つことができるため、車内での作業がしやすくなっています。また荷室の広さから、改造にも適した車種と言えます。

クイックデリバリーは元々の生産数が多くないため希少車種であり、なおかつ宅配業務や個人所有者に酷使されている場合が多いため、状態が良い車両(走行距離が短いなど)は、決して多いとは言えません。

クイックデリバリーをキッチンカーにするメリット・デメリット

クイックデリバリーをキッチンカーにするメリット・デメリット

(出典:Wikipedia)

クイックデリバリーはウォークスルーバンなので車内を自由に移動でき、荷室の広さからも改造に適していて、まさにキッチンカー向きの車両と言えます。

とても人気があり、キッチンカーとして最適と思われるクイックデリバリーですが、デメリットもあります。メリットとデメリットを両方知り、クイックデリバリーが自分のキッチンカーのベース車として適するのか検討してください。

メリット

1. 利便性が高く大容量

荷室が広くキッチンスペースを大きくできることが最大のメリットです。高さがあるため立ったままの作業も可能で、作業がしやすくキッチンカー業務をスムーズに行うことができます。一つの箱のような形をしていて、車内を自由に動き回れるだけでなく全てのドアから乗降や荷物の積み下ろしができるので、レイアウトの自由度も高く、細部にこだわることができます。

2. 目を引く外見で目立つ

「シャープで洗練されている」「スタイリッシュで格好良い」と、外見のデザインに定評があります。独特で目立つので注目されやすく、宣伝効果も見込めます。また、トラックなので平面が多く、塗装やラッピングの自由度が高いので、他のキッチンカーとの差異化もしやすくなります。

デメリット

1. 維持費が高い

車両によっては総重量(車体重量+最大積載量)が3.5tを超過します。大きな重量を支えるため、リアタイヤはダブルタイヤ(リアだけで4本、前後合計6本)で、パワーのある大きなエンジンを搭載していますので、税金やタイヤなどの消耗品の交換コストは高めになります。 燃費は約10km/Lと一般的なミニバン等と比べて悪く、安価な軽油で動くとはいえ燃料代も乗用車より多くかかります。

2. 運転には慣れが必要

車体が箱型で死角が多いため、初めての方にとっては運転が難しく感じることがあります。 また、免許制度の変更により2017年(平成29年)3月12日以降に普通自動車免許を取得した方は運転できず、準中型免許の取得が必要になります(それ以前取得している場合は可能)。

中古車購入と製作の費用相場とメリット・デメリットの比較

中古車購入と製作の費用相場とメリット・デメリットの比較

クイックデリバリーのキッチンカーを入手する方法は、以下の2つしかありません。

  • キッチンカー仕様のクイックデリバリーを中古で購入する
  • 中古のクイックデリバリーを購入しキッチンカーに改造する

それぞれの費用の相場とメリット・デメリットを表にまとめました。

メリット

デメリット

費用相場

キッチンカー仕様のクイックデリバリーを中古で購入する

  • 購入後すぐに営業をはじめられる
  • 希少車種で選択肢が少ない
  • 保健所の認可条件は各地で異なり追加で改造を行わなければならない場合がある

350万円~500万円程度

中古のクイックデリバリーを購入しキッチンカーに改造する

  • 理想の形に改造できる
  • ベース車は比較的数がある

改造に時間がかかる

200万円~400万円程度

キッチンカー仕様のクイックデリバリーは、中古車販売店がメンテナンスをしている場合が多いため購入してすぐに営業を開始できる可能性が高いです。

ただし、キッチンカーの営業許可の条件は各地域によって異なるので、条件を満たしていない場合は改造をする必要があります。

それに比べて、中古のクイックデリバリーをキッチンカーに改造する場合は、求める設備を必要なだけ装備することができるので、理想通りのキッチンカーを製作できます。

しかしベース車は、キッチンカー仕様のものよりは多いとはいえ、元々希少車種なうえに宅配業務などで酷使されている場合が多いため、状態の良い車両は決して多いとは言えません。

どちらの方法も「選択肢が多いとは言えない」のが現状です。

本当にクイックデリバリーは最良の選択と言えるのか

本当にクイックデリバリーは最良の選択と言えるのか

クイックデリバリーは特徴的な外見で、ウォークスルーで利便性が高く、車内空間が広く積載量が多いため、キッチンカーのベース車としてとても魅力的です。

しかしクイックデリバリーには、維持費の高さや運転の難しさ、すでに生産が終了している希少車種のため状態の良い中古車を安価に入手することが難しいというデメリットもあります。

そこでおすすめしたいのが「軽トラックをベースにしたキッチンカー」です。車体自体が非常にコンパクトなため最大積載量こそ見劣りしますが、中規模クラスのイベントなら十分に対応できる車内スペースを持っており、運転も容易です。

購入・製作費用が安く、軽自動車ゆえの維持費の安さも魅力です。現行車種がベースとなるので故障しにくく、仮に修理が必要になっても交換パーツが潤沢に存在するので高額な費用がかかることもありません。

いかにも商用目的という外観が気になるところですが、これについてもフェイスパーツの交換による外見イメージの変更が可能であり、多様な要望に応えてくれる製作業者が多いのも魅力の1つと言えます。

クイックデリバリーの良さを認識しつつ代替案も検討したい

クイックデリバリーの良さを認識しつつ代替案も検討したい

クイックデリバリーの魅力は、特徴的な外見・構造、大きな最大積載量がもたらす、立ったまま移動できる広さと高さにあります。

しかし、購入予算や維持費を安く抑える事は難しく、運転が簡単ではないという難点がある事も事実です。 そこで、軽トラックをベースにしてクイックデリバリーの良いところを詰め込んだキッチンカーが製作できことを紹介しました。積載量は見劣りしますが、高さがあるので立って作業することもでき、レイアウトの自由度、特徴的な外見はクイックデリバリーに負けず劣らずの魅力があります。

また、軽トラックは軽自動車でコンパクトなので、クイックデリバリーのデメリットである維持費や運転の難しさなども解消できます。 中古のクイックデリバリーの購入を考えている方は、軽トラックベースのキッチンカーでどこまで理想が叶えられるのか、キッチンカーの製作業者に相談してみるのも一つの手と言えます。